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アジサイ科

紫陽花には毒があるのになぜカタツムリはいるの?【獣医師解説】

アジサイとカタツムリ




この記事を書いているのは2022年6月27日。
梅雨に入っていますが、暑い暑い。

「梅雨が明けたんじゃないか?」ってくらいです。
熱中症にはくれぐれもお気を付けください。

そんな話はさておき、梅雨といったら紫陽花(アジサイ)でしょう。
そしてアジサイにはカタツムリがつきものです。

カタツムリとアジサイ

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紫陽花 犬

愛犬と散歩中に、

紫陽花とカタツムリ

実際にアジサイの葉っぱを這って歩いているカタツムリを発見しましたよ。
アジサイの葉っぱにカタツムリがいるのはありきたりな光景かもしれません。
でも、アジサイには毒があるって知ってましたか?

人間だったら毒が確実に存在するところに
近寄りませんよね。

もしかしたらカタツムリさんには
アジサイに毒があるという情報が行きわたってないからかもしれません。

でも私は獣医師として日々犬や猫の診察をしていますが、
犬や猫だって毒があるところには近寄りません。
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スイセン 花 毒

たとえばスイセンには毒があります。
私の20年くらいの経験では犬や猫がスイセンを食べるってケースは
ほとんど聞いたことがありません。

ではどうしてカタツムリは毒があるアジサイの葉っぱに乗っていたりするのでしょうか?
以下、詳しく解説していきたいと思います。

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カタツムリがくっついている紫陽花に含まれる毒

紫陽花とカタツムリ

アジサイにはどんな毒が含まれているのでしょうか?
完全にはわかっていないものの、『青酸配糖体』という毒が
アジサイに含まれていると考えられています

あなたが目にしているアジサイに青酸配糖体という毒が含まれているかはわかりません。
ただ少なくとも京都薬科大学の調査では中国四川省生まれのアジサイから
青酸配糖体の成分が抽出されたそうです。

ちなみに

アジサイから見つかった毒素として

・青酸配糖体
・抗マラリア成分
・嘔吐性アルカロイド

が見つかったという研究報告があります。

ではもし人間が上記アジサイの有毒成分を口にしてしまったら
どんな症状が出るのでしょう?

症状として

・気持ち悪くなる(吐き気)
・フラフラとめまいがする
・めまいがするから歩くのが難しくなる
・顔が真っ赤になる(顔面紅潮)
・呼吸が苦しくなる(呼吸困難)
・最悪、昏睡状態

などがあります。

こんな情報を知ってしまったら
アジサイに触るのも嫌になるかもしれませんね。

ちなみに致死量としては体重1㎏あたり0.5~3㎎だといわれています。
また、毒がある部位は葉っぱ、根っこ、つぼみ、茎などありとあらゆる場所です。

アジサイはきれいな花を咲かせるもののおいしそうに見えないので
大丈夫だとは思いますが、絶対に食べないでくださいね。
また犬や猫のエサとしてアジサイの葉っぱは絶対に与えないでくださいね。

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カタツムリにとって紫陽花の毒は危険?

紫陽花とカタツムリ

そんな恐ろしい有毒成分がアジサイにはあるわけです。
アジサイに乗っているカタツムリは大丈夫なのでしょうか?

結論としては問題ないといわれています。
なぜならカタツムリはアジサイの葉っぱを『普通は』食べないからです。
例外的に食べるカタツムリもいるという噂を聞いたことがあります。
でも、普通、カタツムリはアジサイの葉っぱを食べません。

あといろんな説があって、アジサイに含まれる毒である青酸配糖体ですが、、、
人間や犬にとっては毒だけど、カタツムリにとっては毒ではないという説があります。

青酸配糖体というのは酸性の物質と混ざることで
青酸ガスがが発生し毒性を発揮するといわれています。

人間がアジサイの葉っぱを食べると
胃酸という酸で青酸ガスが発生し、人間が中毒を起こすというあくまで『説』があります。
ところがカタツムリの消化液はアルカリ性なので
アジサイに含まれる青酸配糖体を摂取しても青酸ガスが発生せず
中毒を起こさないという『説』もあります。

つまり、カタツムリがアジサイを食べても中毒を起こさないという説もあります。
ただ、そもそもアジサイの有害物質が青酸配糖体かどうかも
学術的に確定しているわけではありません。

危険性のあることは慎重に対応しないといけません。
なので、私たち人間は少なくともアジサイを食べないようにお願いします。
犬や猫もアジサイは危険な可能性がありますから与えないでください。

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なぜ毒を持つ紫陽花にカタツムリがいるの?

紫陽花とカタツムリ

そもそもアジサイに毒があるか?諸説さまざまです。
仮にアジサイに毒があったとして
人間や犬猫には有害でもカタツムリには無害かもしれないとか
カタツムリも有害だとか、まだ確定していません。

とはいえ、もしカタツムリにとってもアジサイの毒は有害だったとしましょう。
どうしてカタツムリは毒があるアジサイの葉っぱにいるのでしょう?

アジサイの葉っぱにカタツムリがいる理由(1)大雨から身を守るため

紫陽花とカタツムリ

カタツムリは梅雨の時期によく見かけるので
雨が大好きな生物だと思っている人も多いでしょう。
でも、意外かもしれませんが、カタツムリは雨が大嫌いです。

つまり

梅雨は雨がいっぱい降る
⇒カタツムリは雨が嫌い(でも乾燥はダメ!意外とワガママ)
⇒梅雨の時期にはアジサイが花を咲かせ元気に育っている
⇒だからカタツムリは葉が生い茂っているアジサイの葉っぱにくっついて雨から身を守っている

ということです。

カタツムリって乾燥した状態では生きていけません。
なのにどうして雨は苦手なのでしょう?

カタツムリって魚類ではありません。
人間や犬と同じで肺呼吸しています。
エラ呼吸ではないってことです。

なので大雨が降る梅雨の時期、
カタツムリが地面をウロウロしていたら
溺れてしまい、命を落とす危険性があるわけです。

だからカタツムリは地面に落ちて溺れないように
梅雨の時期に生い茂っているアジサイの葉っぱにしがみついている
わけですね。

梅雨の時期においてカタツムリにとっての地面は
人間だったら滝行みたいなものなのかもしれませんね。

修行以外の目的だったら人間だって滝に打たれずに
安全な場所に避難しますよね。
それと同じでカタツムリはアジサイの葉っぱに避難していると考えるとわかりやすいかもしれません。

そのため、カタツムリは大雨が降っている時は
地面に降りずにアジサイの葉っぱにつかまってじっとしていることが多いです。

アジサイの葉っぱにカタツムリがいる理由(2)外敵から身を守るため

アジサイとカタツムリ

くどいようですが、アジサイには青酸配糖体という毒がある可能性が高いです。
犬や猫など動物は毒がある植物に本能的に近寄らなかったりします。

カタツムリにとって犬や猫は自分を食べる可能性のある危険な存在です。
だからあえて毒を持つ可能性のあるアジサイにくっついておけば
危険な外敵から(カタツムリ自身の)身を守ることができるわけですね。

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紫陽花には毒があるのになぜカタツムリはいるの?まとめ

紫陽花とカタツムリ
今回の記事ではカタツムリとアジサイの関係性や
どうして毒を持っているかもしれないアジサイにカタツムリがいるのか?について解説しました。

カタツムリの先祖は海にいる巻貝の仲間だったのだそうです。
海にいたということは大昔のカタツムリの先祖はエラ呼吸だったと考えられます。

でも長い年月をかけてカタツムリも進化し
陸に上がり、生活していくうちにエラ呼吸から肺呼吸に変わっていったと考えられています。
そんな進化を経て湿気は大好きだけど、水の中では生活できないカタツムリになったわけですね。

そんなことからカタツムリは溺れないように
梅雨の時期は特にアジサイにしがみついて生活している可能性があります。
また毒を持っているかもしれないアジサイにくっつくことで
外敵から身を守っている可能性もあります。

もしカタツムリを飼育するなら水の量には十分気を付けてください。

以上、解説を終わります。

アジサイ

次の記事では白色のアジサイの花を咲かせるにはどうすればよいのか?
解説したいと思います。
白色のアジサイの花を咲かせるなら土壌はどうすればいい?