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代謝

補酵素が熱に強い理由

補酵素 熱に強い




以前の記事で補因子(補酵素)についてかなり詳しく解説しています。
酵素の特徴『補因子』とは?わかりやすく解説

今回の記事では補酵素が熱に強い理由について解説します。
補因子(補酵素)とは何か?知りたい方は先にこちらをご覧ください。
酵素の特徴『補因子』とは?わかりやすく解説

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補酵素が熱に強いのはなぜ?

まず補酵素が熱に強い理由を理解するためには
補酵素の定義を知っておく必要があると思います。

補酵素とはタンパク質とゆるーくくっついている『低分子の』『有機物』のことです。

たまに勘違いしている人がいるように感じますが、
補酵素は金属ではありません。
補酵素は低分子の有機物の一種です。

そして補酵素は熱に強いです。

タンパク質は熱に弱いです。
でも、補酵素は熱に強いです。

なぜ補酵素は熱に強いと思いますか?
金属だから?違いますよね。
補酵素は金属ではありません。
補酵素は低分子の有機物だから熱に壊れないのです。

有機物というのは炭素を含む化合物の中でも
炭素と酸素でできていて、
しかも一酸化炭素と二酸化炭素を除いたもののことです。

どうして二酸化炭素を除くか?というと
有機物の別の定義として、
燃やすと二酸化炭素と水を発生する物質というのもあるからです。

高分子の有機物の中に熱に弱いタンパク質があります。
でも、補酵素になり得る低分子の有機物としてビタミンBなどがあって
熱に強いです。

たとえばタンパク質だったら70℃程度でダメになります。

でも、ビタミンB1は解糖系やクエン酸回路で働く補酵素の一種なのですが、、、
以下加熱によるビタミンB1の逸散についてより引用

VB1の熱に対する安定性については大嶽ら1)によるとVB1の水溶液は加熱に対して弱く110℃では安定であるが140℃では完全に分解されると報告されている.
(以上引用終了)

と、引用元では加熱に弱いと書いてますが、
これは何と比較するか?によって強い弱いは変わってきます。
この記事では人間や植物の体内で反応する補酵素の話です。

人間や植物の体内で100℃を超えることはありませんから、
100℃以上の温度でビタミンB1(VB1)が分解されたとしても
体内においては補酵素の1種であるビタミンBは熱に強いといえるでしょう。

そもそも高分子の有機物であるタンパク質(酵素の1種)なら70℃程度でダメになるでしょうから。

とにかく補酵素は低分子の有機物だから熱に強いのです。
で、補酵素はタンパク質本体とくっついたり離れたりします。

グローブ

だからこの補酵素はボクサーにとってのグローブみたいなものです。
で、酵素のタンパク質の部分がボクサーに該当します。

酵素のタンパク質の部分にグローブである補酵素がはまると、
活性中心が活躍して反応スピードを早めてくれるのです。

ちょっとややこしい話が続きましたので、
酵素についてまとめておきますと、、、

酵素には

(1)タンパク質だけでできているもの
(2)タンパク質と補酵素でできているもの
(3)タンパク質と補欠成分でできているもの

があります。

まぎらわしいですよね。
酵素と補酵素。
同じ酵素がついています。

酵素という酵素と補酵素という酵素がそれぞれ
別個独立して存在しているというイメージを持っている方も
多いのではないでしょうか。

英語でみても酵素は『Enzyme(エンザイム)』で補酵素は『Co-Enzyme(コエンザイム)』ですからね。
Co-EnzymeのCoは『共同の』という意味です。
だから共同の酵素という意味合いから補酵素と名付けられたそうです。

でも、Co-Enzyme(補酵素)はEnzyme(酵素)とともに働いて
酵素の活性を出すような物質なのです。
だからイメージとしては補酵素は酵素の1成分みたいな感じでしょう。

最後にまとめますと補酵素が熱に強い理由は
補酵素が低分子の有機物だから
です。