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学術

長日植物・短日植物の覚え方

サフランモドキ




前回の記事では光周性について解説しました。
光周性とは?わかりやすく解説

光周性とは植物などの生物が昼の長さ『あるいは』夜の長さの変化に応じて1年のうちの
特定の季節に一定の反応を示す性質のことでしたね。

今回解説する長日植物(ちょうじつしょくぶつ)や短日植物(たんじつしょくぶつ)は
光周性の定義の中の

昼の長さ『あるいは』夜の長さ

の『あるいは』の部分が大事になってきますから
よく覚えておきましょう。

今回の記事では長日植物と短日植物について解説します。

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長日植物・短日植物の覚え方

長日植物というのは開花の時期がだいたい春から夏にかけてです。
どういうときになると花芽ができるか?というと、
暗期が一定時間以下になると花芽が形成されます。

ちなみに花芽とは何か?についてはこちらの記事をご覧ください。
花芽形成と日長の関係についてわかりやすく解説

ちょっとここ、変だと思いませんか?
「あれ、さっき一日の日の長さで花芽が形成されるかどうか
決まるんじゃないの?」と。

さっき言ったことがここで意味を持ってきます。
光周性とは植物などの生物が昼の長さ『あるいは』夜の長さの変化に応じて1年のうちの
特定の季節に一定の反応を示す性質だといいましたね。

昼の長さ『あるいは』夜の長さ(暗期)ですからね。

つまり、生物によってどっちを認識するかはわからないということです。
で、植物の場合、暗期が重要なのです。

「どうしてそんなことがわかるの?」と言われそうですね。
長日植物は春から夏にかけて花芽が形成されるやつですね。

たとえば

長日植物には

・コムギ
・アブラナ
・ほうれん草
・カーネーション
・ダイコン
・アヤメ

などがあります。

長日植物の覚え方(語呂)は

コムロさん(コムギ)、油がないなぁ(アブラナ)!ほうれん草(ホウレンソウ)を買っても金(カーネーション)のムダ(ダイコン)!

です。

コムロさんという料理人がいて、油がなかったからホウレンソウを使った料理を作ろうと思っても
お金の無駄だよというシーンを想像してみてくださいね。

で、夏から秋にかけて花が咲く植物が短日植物ですが、

短日植物には

・アサガオ
・タバコ
・オナモミ
・コスモス
・ダイズ
・キク

などがあります。

短日植物の覚え方(語呂)は

日が短い(短日植物)朝(アサガオ)にタバコ(タバコ)吸って怒(オコ)られて(オはオナモミ、コはコスモス)、ダイキライ
(ダイはダイズ、キはキク)になった。

がよいでしょう。

コスモスやアサガオなんて、秋に花が咲くのを
知っているのは多いのではないでしょうか。

それから一年中適当な時に咲いているのが中性植物といいますが、
これは日長が関係なく花を咲かせます。

で、短日植物というのが夏から秋で
長日植物というのは春から夏。
つまり、長日植物は春から夏、その1日の日がだんだん長くなってくるときに
花芽を作るのか?または言い換えれば、
春から夏というのは、夜がだんだん短くなってくるときでもありますよね。

「同じじゃないの?」と思うかもしれませんね。
でも違うんですよ。

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長日植物・短日植物のメカニズム

たとえば、A株式会社という家具を販売している会社があったとしましょう。
A株式会社の1年間の利益は1000万円だっとします。
借金は30万円です。

B株式会社というやはり家具を販売している会社があったとしましょう。
1年間の利益は10億円です。
借金は3000万円です。

どっちの会社の方が将来性があると思います?
一概には言えませんが、B株式会社(10億円の利益で3000万円の借金)の会社の方が
将来性がありそうな気がします

つまり、3000万円の借金ができるという、
銀行にそれだけ信用があるということなのです。

プラスの利益とマイナスの借金の意味が違うです。

ではもっと理解しやすくなるように
ある実験をしました。

ある長日植物とある短日植物があったとしましょう。

1日の明暗の時間を変えて実験したものです。
そして花芽が形成されるかしないかを実験します。

とにかく覚えて欲しいのは長日植物は春から夏にかけて花芽形成で
短日植物は夏から秋にかけて花芽形成です。

だから日の長さが長くなる時期(別の言い方をすると夜が短くなるほど)に長日植物は
花を咲かせます。

短日植物は日が短くなるほどよい(夜が長くなるほどよい)。
なので、長日植物は短夜植物という言い方もできますし
短日植物は長夜植物という言い方もできるでしょう。

まず長日植物、短日植物を8時間明るい、16時間暗い環境で育ててみました。
すると、長日植物は花芽形成し、短日植物は花芽形成しました。

8時間明るい、16時間暗い環境で育てると

・長日植物は花芽形成しなかった
・短日植物は花芽形成した

今度は16時間明るい、8時間暗いという環境で長日植物と短日植物を育ててみました。

すると、長日植物は花芽形成し、短日植物は花芽形成しませんでした。

ここまでまとめると

(1)8時間明るい、16時間暗い環境だと
⇒長日植物は花芽形成しないが短日植物は花芽形成する

(2)16時間明るい、8時間暗い環境だと
⇒長日植物は花芽形成するが短日植物は花芽形成しない

ということです。

このことから、長日植物は少なくとも8時間以上の日の長さが
必要だったから(1)の実験では花芽形成しなかった、
逆に短日は(2)で日の長さが長くなりすぎたから花芽形成しなかったといえます。

逆に長日植物は(1)で夜が長すぎたから花が咲かなかったが
(2)で夜が短くなったから花が咲いたといえます。
短日植物は(1)で夜が長いから咲いたけど、(2)で夜が短いから咲かなかったといえます。

次に実験(3)を見ていきましょう。
(3)の実験では日の長さは8時間と(1)と同じ、
夜の長さを8時間と(2)と同じにしました。

するともし日の長さ(昼の長さ)が重要であれば
(1)と同じで長日植物は花芽形成しないけど、
短日植物は花芽形成するでしょう。

ところが、

(3)の実験の結果は

・長日植物は花芽形成した
・短日植物は花芽形成しなかった

という結果になりました。

ここまでまとめると、花芽形成したら〇、しなかったら×と表記

 

(1)8時間明るい16時間暗い 長日植物×、短日植物〇
(2)16時間明るい、8時間暗い 長日植物〇、短日植物×
(3)8時間明るい、8時間暗い 長日植物〇、短日植物×

という結果になりました。

もし昼の長さが重要だったら(3)の結果は(1)と同じ結果になるはず。
でも、結果は(2)と同じ結果になったのです

今度は(4)として16時間明るく、16時間暗くしてみました。

(1)8時間明るい16時間暗い 長日植物×、短日植物〇
(2)16時間明るい、8時間暗い 長日植物〇、短日植物×
(3)8時間明るい、8時間暗い 長日植物〇、短日植物×
(4)16時間明るい、16時間暗い 長日植物×、短日植物〇

(花芽形成したら〇、しなかったら×と表記)

もし昼の長さが大事であれば(4)は(2)と同じ結果になるはず。
でも結果は(1)と同じ結果になりました。

(4)は夜が16時間である(1)と同じ結果になったのです。
つまり、(1)と(4)は同じ結果、(2)と(3)は同じ結果になったわけです。

昼の長さでなく、夜の長さが結果に影響しているといえるでしょう。
よって、植物は昼の長さでなく夜の長さを認識しているわけですね。

「昼が短くなったね」でなく「夜が長くなりましたね」というのが正解です。
なので、本当は短日植物じゃなくて長夜植物、長日植物じゃなくて短夜植物と
言おうと検討した時期もあったそうですよ。

ここまでで大事なことは昼なら昼、夜なら夜で明るい時間、暗い時間が
連続していないといけないということです

だから仮に以下の(5)のような実験があったら結果が違ってきます。

(1)8時間明るい16時間暗い 長日植物×、短日植物〇
(2)16時間明るい、8時間暗い 長日植物〇、短日植物×
(3)8時間明るい、8時間暗い 長日植物〇、短日植物×
(4)16時間明るい、16時間暗い 長日植物×、短日植物〇
(5)は(1)の暗い16時間を途中で光当てて中断 長日植物〇、短日植物×

(花芽形成したら〇、しなかったら×と表記)

(5)の実験は(1)の実験で16時間暗い状態を作らずに
途中で1回、5分くらい光を与えました。
すると(1)と同じ結果にならずに夜が短いパターンと同じ結果になりました。

つまり連続した暗期が必要だということです。

続いて長日植物と短日植物に存在する限界暗期について解説します。
限界暗期とは?わかりやすく解説