春がやってくると、私たちの周りにも小さな変化が訪れますね。
庭先や公園の隅で小さくてかわいい春の使者「つくし」が顔を出し始めます。
そして、そのそばで緑豊かなスギナも春の日差しを浴びて、
一層きれいに輝き始めます。
これらの植物は、春の風景を彩る大切な役割を持っていますが、
実はちょっとした勘違いもあるんですよ。
たとえば、子どもの頃に聞いた話や思い出から、
「つくしが大きくなるとスギナになる」と
思っている方も少なくないかもしれません。
でも、実はそれ、少し違っています。
今回の記事ではつくしとスギナの関係性について
わかりやすく解説します。
つくしとスギナの関係性
つくしとスギナはとても身近な植物ですが、
実はとっても興味深い関係があります。
子どもの頃、春になるとよく見かけるつくしが、
大きくなるとスギナになると思っていた方も多いかもしれません。
しかし、実はこれはちょっとした勘違いなんです。
まず、つくしとスギナは同じ植物の違う部分なんです!
つくしってシダ植物に分類されるスギナの一部なんです。
スギナはシダ植物の中でも特に春によく見かける植物です。
光合成を行う緑色の棒状の葉が特徴的です。
このスギナが冬場以外はずっと生えていたりします。
一方で春先に見かけるつくしは、
スギナの胞子を飛ばすために出てくる特別な茎です。
このことを胞子茎といいます。
つまり、つくしはスギナの「子供を作るため」に現れる部分です。
つくしじゃ春先に繁殖のために芽を出し胞子を飛ばした後は枯れてしまいます。
つくしの頭から出る緑色の粉がその胞子で、
これが風に乗って遠くまで飛んでいき、新しいスギナを作るんですよ。
花壇の隅で「#つくし(#土筆)」を見つけました。#春の季語 にもなっている「つくし」は、漢字で「土筆」と書きます。筆を逆さに地面に刺したような形に見えることから「土筆」になったと言われています。
「つくし」は「スギナ」という植物の胞子茎(胞子穂)です。#植物観察 pic.twitter.com/QK2B0HU0ev— 館山野鳥の森 (@yacho1030) March 17, 2024
ちなみにスギナはつくしによる胞子で増えるだけではありません。
地下茎から新しい芽を出して増えることもあります。
これがスギナがとてもたくさん生えてくる理由なんです。
そして、スギナのこの増え方は、
実は昔から水の中に住んでいた植物の名残と言われています。
すごく昔、生物がみんな水の中にいた時代から、
植物はいち早く陸に上がってきたんですね。
面白いことに、つくしが好物だったとされる明治天皇の時代から、
つくしは日本の春の風物詩として親しまれてきました。
今日は土筆(つくし)からクイズを出題させていただきます❕
土筆は食べられることでも有名ですが、歴代天皇の中で土筆料理が大好物だったと記録されているのはどの天皇でしょうか。
①昭和天皇
②明治天皇
③大正天皇正解は午後に発表します💡 pic.twitter.com/MFLqBB9kMT
— Victor(Japan) (@victor_brand_jp) April 3, 2023
ちなみに
つくしは柔らかくて甘みがあり、
春の味覚として様々な料理に使われます。
それに、スギナやつくしには「向上心」や「努力」という花言葉があって、
春の新しい始まりにぴったりなメッセージを持っているんですよ。
つくしとスギナの関係とは?まとめ
子どものころ、つくしが成長するとスギナになると
思っていた方もいるかもしれませんね。
でも、実際には、つくしとスギナは同じ植物の違う部分で、
二つともシダ植物のスギナの一部なんです。
つくしが春に顔を出すのは、
スギナが新しい子供を作るため。
そして、その子供たちは風に乗って遠くまで旅をして、
新しいスギナを芽を出すんです。
スギナの生え方には、昔水の中で生活していた
植物の歴史が隠されていて、
今もその名残を見ることができるんですよ。
また、つくしやスギナには「向上心」「努力」という
素敵な花言葉があり、
春の始まりと共に新しいスタートを切る私たちにとっても、
とても励みになるメッセージを持っています。
この記事を通じて、つくしやスギナに新たな魅力を
感じていただけたなら嬉しいです。
春の散歩の際には、ぜひ足元にも目を向けてみてください。
小さなつくしやスギナが、
大きな自然の不思議と生命のサイクルを教えてくれるかもしれませんよ。
新しい季節の訪れを、
これらの植物と一緒に楽しんでいただけたらと思います。
以上で解説を終わります。