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ユリ科

ユリの花を猫が食べる危険性を獣医師が解説

ユリの花




今回の記事では猫ちゃんがユリの花を食べると
どんな危険なことが起こるのか?解説します。

ただ、「そんな記事を書くお前は誰だよ!」
と思った方もいるかもしれませんので、軽く自己紹介をしておきますね。

私は獣医師として
日々、ペットの診察に従事しています。
証拠画像はこちら(私の獣医師免許証です)

獣医師免許証

さすがにURL付きの獣医師免許証の画像があれば
本物の獣医師だと信じていただけると思います。

それでも信用していただけない場合は
箱入りの抗生物質の画像をご覧ください。

ペニシリン

さすがに抗生物質を箱で買うことは医療関係者でないと無理なので
信じていただけたかと思います。
私は動物病院を開業して日々診察しています。

で、本当にまれですが、猫ちゃんがユリの花を食べたと
診察にやってくるケース
があります。

犬や猫は玉ねぎなどのネギ類を食べるのは非常に危険です。

他にもこちらの動画で解説されているような食べ物も危険です。

上記動画はワンちゃん中心に解説されていますが、
猫ちゃんも当てはまるものが多いです。

スイセン 花 毒

他にも当ブログでも解説していますが、
スイセンも危険ですね。
スイセンの花に含まれる毒

ではここからが本題です。
もし猫ちゃんがユリの花を食べてしまったら
どうなってしまうのでしょう?

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猫が食べるのは危険なのはユリの花の部分だけ?

ユリの花

この記事では『ユリの花』と書いていますが、
猫ちゃんが中毒を起こすのは『ユリ科ユリ属』に当てはまる植物となります。

たとえば

・コオニユリ
・カサブランカ
・チューリップ
・テッポウユリ(イースター・リリー)
・カノコユリ
・オニユリ
・キスゲ

などを猫ちゃんが食べると中毒を起こします。

チューリップ

チューリップもユリ科の植物で猫ちゃんが食べると危険だということは
よく覚えておいてくださいね。

ユリの花

特に上記画像のような花を8月ころに見つけたら注意してください。
上記画像のようなユリの花は繁殖力が強いです。
自宅の庭でも勝手に生えてきたりしますし。
もしかしたらあなたの自宅のリビングルームでも観賞用として置いてあるかもしれません。

猫ちゃんやワンちゃんは自宅で栽培している観葉植物に
興味を持ってしまい、かじってしまう可能性があります。

特に毒性が強い部分は

・ユリの花粉
・花びら(花弁)
・葉っぱ
・茎
・球根

です。

こういったものを猫ちゃんが食べてしまうと
命の危険が生じてしまいます。
ユリの花の部分だけが危険というわけではありません。

あと盲点になるのは、ユリの花を入れた花瓶内の水ですね。
ユリに含まれる有害成分が花瓶の水に漏れ出ていることがあります。
そんな水をもし猫ちゃんが口に含んでしまうと
中毒を起こすかもしれません。

くれぐれもご注意ください。

ちなみに、猫ちゃんとワンちゃんなら、
ユリ中毒は猫ちゃんの方が起こしやすい
といわれています。

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ユリの花を猫が食べると中毒が起こる原因

ユリの花

まず猫ちゃんがユリを食べてなぜ中毒を起こすのか?
具体的な原因物質は今のところ分かっていません

とにかく猫ちゃんがユリを食べてしまうと
どういうわけか中毒を起こしてしまい、
生命の危険にさらされるということだけがわかっているのです。

とはいえ、少なくとも猫ちゃんがユリを食べて中毒を起こす原因物質は
少なくとも水溶性の物質であることは間違いありません。

なぜなら先ほど解説したように
ユリの花が入っている花瓶の水を
猫ちゃんが飲んでも中毒を起こすからです。

水に溶ける物質を水溶性といいますからね。

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ユリの花を猫が食べるとどんな症状がでる?

猫

猫ちゃんがユリを食べるとどんな症状が出るのでしょう?

代表的な症状として

・ゲーゲー吐く
・ダラダラとよだれが出る(気持ち悪いから)
・いつもと比べて明らかに覇気がない
・食事を食べない
・背中の皮膚をつまむと戻りが悪い(脱水状態になる)
・ぐったり
・尿量が減る
・ブルブル震える
・痙攣する

などがあります。

具体的に猫ちゃんがユリを食べたらどんな症状が出るのか
説明していきますね。

猫 嘔吐

まず猫ちゃんがユリを食べて1時間から5時間くらいの間に
ゲーゲー吐き始めることが多いです。
そして食欲や元気がなくなってきます。

この段階で自宅にユリの花があって
猫ちゃんが口にした可能性があるなら
すぐに動物病院に連れていくのが賢明です。

もしユリを食べてから1時間以内ということなら
催吐処置といって吐かせる処置をすることができます。

早期発見早期治療がユリ中毒改善にとって重要です。
でも、ユリを食べて1時間をすぎ、
毒が猫ちゃんの体内に吸収されてしまうと、
解毒処置がどんどん難しくなっていきます。

もしこの段階(ユリを食べて1時間から5時間程度の間)で気づかない場合、
猫ちゃんが嘔吐する症状は消えます。

腎臓

「あぁ、嘔吐がおさまってよかった」ではありません。
この間に、猫ちゃんの腎臓がどんどん破壊されていくのです

そして急性腎不全という状態になってしまいます。
急性腎不全が進行すると尿毒症という状態になっていきます。

そして最終的には猫ちゃんは死んでしまうのです。

猫ちゃんがユリを食べることの何が危険か?というと
腎臓が破壊されることです。
腎臓が破壊されてしまうと、回復が難しくなります。

しかも、腎臓が破壊されて急性腎不全になるまでの時間は
約24時間という短期間です。

さらに、1週間程度で猫ちゃんは尿毒症に陥り
死亡することが多い
です。

仮に亡くならなかったとしても
壊れた腎臓の機能が元に戻ることはありません。
そうなると、一生点滴が必要になったりします。

腎臓は老廃物をオシッコにして
体外に排出する役割があります。
ですので、腎臓の機能がなくなってしまうと
老廃物(猫ちゃんの体にとって有害な物質)を体外に排出しにくくなります。

となると、体内に有害な物質が溜まるため、
点滴の水分でちょっとでもオシッコを作らせ、
老廃物を体外に出すように治療するわけです。

点滴だって無料ではありません。
治療費がかかるということです。
しかも治療して治るものならよいですが、
治ることはありません。

むなしい治療が続くことになります。
そうならないためにも、絶対に猫ちゃんが
ユリに触れることのないよう、ご注意ください。

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猫がユリの花を食べて中毒を起こす量は?

ユリ中毒の猫

どれくらいの量のユリを食べたら猫ちゃんが中毒に陥り
腎不全、尿毒症になり、死亡するのでしょう?
結論としては個体差があるため、はっきりした量はわかっていません。

ある猫ちゃんはユリの花が入っていた花瓶の水をペロリと舐めただけで
中毒になったという報告もあります。

なので、ほんのちょっとのユリを猫ちゃんが舐めるだけでも
中毒になる可能性があるという認識を持っておいた方がよさそうです。

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猫のユリの花中毒診断方法

診察中の猫

もし飼っている猫ちゃんがユリを舐めたのを目撃したのなら
すぐに動物病院に連れて行ってください。

動物病院では

・飼い主さんの話を聞く(ユリ中毒の可能性などを確かめるため)
・腎臓の数字(BUNやクレアチニン)や肝臓の数字(ALTやALP)などの血液検査
・超音波検査(腎臓や肝臓の状態を把握するため)
・X線検査(腎臓や肝臓、胃や腸の状態を把握するため)
・尿検査(腎臓の状態などを把握するため)

などの検査を行います。

特にユリ中毒では飼い主さんの話を聞くことが重要です。
いつ猫ちゃんがユリを舐めた可能性があるのか?
早ければ早いほど催吐処置によって中毒を免れることができます。

ユリを舐めてから1時間以内の催吐処置が
よいとされています。

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猫がユリの花を食べた場合の対処・治療法

ユリ中毒で治療中の猫

繰り返しになりますが、
猫ちゃんがユリを舐めたり食べたりして1時間以内なら
催吐処置(吐かせる処置)により、
中毒物質を体の外に出せる可能性が高いです。

さらに胃の中を洗浄するとよいでしょう。

ユリを食べてから1時間を過ぎてしまうと、
猫ちゃんの体内にユリの有害物質が摂りこまれてしまい
腎臓がどんどん破壊されていく可能性が高くなってしまいます。

猫ちゃんがユリを食べてから4~5時間以内なら
まだ催吐処置や胃洗浄などで治療できる可能性があります

あきらめないでください。

ここで大事なのは
ユリ中毒の特効薬はないということです。
腎臓が破壊され、猫ちゃんが急性腎不全に陥っているようなら
腎臓の治療をするしかありません。

腎臓の治療といっても、完治は難しいです。
せいぜい点滴くらいしかありません。

ただ動物病院によっては人間の治療でもするような
腹膜透析とか血液透析ができるところもあります。

腎不全になると老廃物を体外に排出しにくくなります。
そんな猫ちゃんの代わりに透析という方法で
体内にたまった老廃物を除去する治療を行うわけですね。

とにかく、もし猫ちゃんがユリを食べたのなら
どれだけ時間がたっていてもあきらめずに
まずは動物病院に電話してみてください。

この記事を書いている間にも
獣医療が進化して、
猫ちゃんのユリ中毒の治療法ができているかもしれませんから。

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猫がユリの花を食べたら予後は?

ユリの花

猫ちゃんが腎不全状態になるまでに点滴治療をしたり、
催吐処置をしたり、胃洗浄をすることで
ユリ中毒にならずにすむ可能性があります。

点滴治療をすることで、血液量が増え、尿量も増えるので
ユリの有害成分が体外に排出される可能性が高まります。

でも、もし猫ちゃんに腎不全の症状が出てくるようなら
予後はかなり厳しいです。
腎不全の症状とはお水を飲む量が増え、尿量がやたら増えるとか
貧血の症状が出るなどです。

ただ、腎不全の症状がでても
腹膜透析や血液透析により、
症状が改善する可能性もあるといわれています。

とにかく最後まであきらめないでください。

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猫がユリの花を食べなための予防方法

ユリの花

予防方法としては猫ちゃんがユリ科の植物を食べたり舐めたりしたら
終わりなので、ユリ科の植物を自宅に置かないことが
最大の予防法
となります。

特に猫ちゃんは見たことのない目新しい植物が
置いてあると興味本位で近づきがちです。

ユリの花についた花粉を猫ちゃんが舐めるだけでも
中毒を起こす可能性があります。

また、ユリ科の植物を入れた花瓶が割れたら
中の水がこぼれ、そのこぼれた水を猫ちゃんが舐めるだけでも
中毒を起こす可能性があります。

とにかく自宅にユリの花を置かないというのが
最善の予防方法だと思います。

以上、参考にしていただけますと幸いです。