この記事を書いているのは12月。冬です。
冬といえば40代50代の人であれば冬の女王、広瀬香美さんを
思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
SSレア[冬の女王]広瀬香美さん❄️
— 福原綾香 (@ayaka_fuurin) December 2, 2022
でも当サイトは『自然植物図鑑』。
植物専門サイトです。
では植物限定で冬の象徴は何だろう?
と思った時に、『コブシの冬芽』はいかがでしょう?
上記画像がコブシの冬芽です。
よく使われる表現ですが毛皮のコートを着ているようです。
あるいは猫じゃらしみたいな感じがします。
何が言いたいか?
というと、とにかくコブシの冬芽は目立つってことです。
といいますか、コブシの木って冬芽だけが目立つわけじゃありませんけどね。
コブシの実もかなり目立ちますよね。
こんな感じで何かと目立つコブシですが、
今回の記事では画像をお見せしながらコブシの冬芽の特徴について
解説していきたいと思います。
コブシの冬芽
冬芽とは?
冬になったらコブシの木を見てください。
上記画像のようにもじゃもじゃの毛に覆われた
コブシの冬芽を見つけることができます。
ところでそもそも冬芽(ふゆめ)って何でしょう?
どうしてこんな形になっているのでしょう?
冬芽とは冬越しをしている芽のことです。
もう少し具体的に解説させていただきますと
冬芽とは葉っぱが落ちた枝にくっついているカプセル状のもののことです。
冬芽の中には春に芽生えるはずの葉っぱや花の蕾が入っています。
冬は寒いから春になってから葉っぱや花を咲かせたいわけです。
でも冬を乗り越えないことには
どうにもなりません。
そこで冬の寒さをしのぐために
春に飛び出す芽はカプセルみたいなもののなかに入っているのです。
例えてみると冬芽ってモグラが生活する穴みたいな感じかもしれませんね。
モグラは冬眠しないのでコブシの冬芽とちょっと意味合いが違いますけど、
モグラも寒さをしのぐために冬は穴の中で生活しています。
⇒当ブログ管理人のプロフィール
【3月18日の石神の丘】
芝生が荒れているのは、モグラの仕業。
冬の間、地中深いところで寒さをしのいでいたモグラが春を感じて地表近くにあがり、ふたたびトンネルを掘りなおしているようです。地中にも春が届いているんですね。 pic.twitter.com/pjFnI0B9X4— 石神の丘美術館〈花とアートの森〉 (@ishigami_muse) March 18, 2021
冬芽はコブシだけに存在するわけではありません。
他にもサクラなどにも冬芽ができます。
おはようございます
肌寒い朝☁️
近所の公園の木々は紅葉も終わりかけです🍂
桜には冬芽が🌱
日曜日、皆さま良い一日を〜。 pic.twitter.com/AehJM87lte— ライ🇺🇦オス (@November_Schnee) December 10, 2022
冬芽の役割は寒い冬をしのいで春に芽を出すという意味としては
どんな植物も同じです。
でも冬芽の形状は植物によって違います。
植物の表面にできる鱗(うろこ)っぽいものを鱗片(りんぺん)
といいますが、桜の冬芽はたくさんの鱗片に包まれていますが毛で
覆われていません。
これに対してコブシの冬芽にも鱗片はありますが
その鱗片の上にたくさんの毛がついています。
ではどうして冬芽ができるのでしょう?
先ほども言いましたが、
冬芽の中には将来できる葉っぱや花の芽が入っています。
花や葉っぱの赤ちゃんが冬芽の中に入っているということです。
人間もそうですが、
赤ちゃんって弱いですよね。
真冬に赤ちゃんを一晩中外に放り出したら
おそらく死んでしまうと思います。
でも暖かいお家で
過ごせば赤ちゃんも元気でいられますし成長します。
これと同じで冬芽も
花や葉っぱの赤ちゃんが冬の寒さで
死なないように包んであげているわけです。
また冬芽は寒さ防止以外にも
鳥たちに花や葉っぱの赤ちゃんが食べられないように
守る役割があります。
コブシなどの冬芽を触ってみてください。
結構硬いですよ。
しかも冬芽を引っ張っても簡単には取れません。
人間が冬芽を採ろうとしても
簡単ではないのに、鳥が簡単に冬芽を食べれるか?
といったら難しいでしょう。
こんな感じで
・冬の寒さで葉っぱや花の芽が死滅するのを防ぐ
・鳥(他にも虫)などに葉っぱや花の芽が食べられるのを防ぐ
役割があります。
ところで冬芽ができた樹木をよーく見て下さい。
葉っぱがないですよね。
これは偶然ではありません。
冬芽ができた樹木に葉っぱはありません。
葉っぱが落ちた後に冬芽ができるためです。
ではどうして葉っぱと冬芽は共存しないのでしょう?
もちろん樹木に直接聞いたわけではないので
真実はわかりません。
ただいわれているのは
葉っぱも生きているわけです。
生きている以上、水なども葉っぱに移動します。
でも冬になり寒くなると乾燥しますよね。
乾燥するということは水分が減るということです。
もちろん地中の水分も減ります。
そんなときに冬芽と葉っぱが同時に存在したら
葉っぱにも冬芽にも水分を与えないといけなくなります。
もし10の水分があったときに葉っぱに5、冬芽に5与えるより
葉っぱを落として冬芽だけに10与えた方が効率的でしょう。
冬芽の中には将来の葉っぱや花があるわけです。
古い葉っぱに水を与えるよりも
将来の葉っぱや花に水を与えた方が
その樹木が生きていくうえで有益なわけです。
そんなこともあって冬芽ができる前に古い葉っぱは
みんな落ちてしまうといわれています。
他にも冬芽ができる前に葉っぱがみんな落ちてしまう理由があります。
動物や昆虫は老廃物(体の中にできた不要なもの)はオシッコや
ウンチとして外に出すことができます。
でも植物にはそんなシステムがありません。
じゃ、どうするか?
老廃物は葉っぱにたまります。
老廃物が溜まった葉っぱが落葉することで
動物や昆虫の排出システムと同じような役割を果たしているといわれています。
以上の理由から冬芽ができる前に落葉するといわれています。
ではコブシの冬芽の特徴について解説していきます。
コブシの冬芽の特徴
コブシの冬芽、毛がフサフサに生えていて
温かそうですね。
これなら冬を越せそうですね。
ところで
・葉身
・葉柄
・托葉
の3つに分解することができます。
そしてコブシの冬芽は2個の托葉がくっついてできたものだといわれています。
托葉とは葉っぱの茎に近い部分のことです。
コブシは冬芽ができることで
花の芽や葉っぱの芽が冬の寒さや鳥などから守られています。
そして3月中旬頃になったら冬芽が割れて中から蕾が出てきます。
しかも面白いことに
出てくる蕾は北側を向くのだそうです。
このことをコンパスプラントというそうです。
そして最終的には
コブシは白い花を咲かせます。
大きさは10㎝くらいです。
ということは皇帝ダリアの花くらいの大きさですね。
そして面白いことに咲いたコブシの花の下には
若葉が一枚くっついているという特徴があります。
今回の記事は以上になります。
こんな特徴的なコブシの木を育ててみたい方はこちら
⇒コブシ 単木 2m 露地 苗木