前回の記事ではノイバラの育て方や花の特徴について解説しました。
⇒ノイバラの花の特徴
⇒ノイバラの育て方
今回の記事ではノイバラにする誘引とはどういう意味なのか
やり方についてもわかりやすく解説したいと思います。
ノイバラにする作業|誘因とは?
![ノイバラ](http://rs-hamada.net/wp-content/uploads/2021/05/noibarafence20210514suf.jpg)
ノイバラなどのバラ科の植物は枝がどんどん伸びていきます。
ただ枝が伸びるだけだったらよいのですが、
伸びた枝はどんどん太く硬くなっていきます。
はっきりいって場所をとって邪魔な存在になるかもしれません。
そこで、上記画像みたいにフェンスがあるような場所に
ノイバラを植えるという方法も考えられます。
![アサガオ](http://rs-hamada.net/wp-content/uploads/2021/05/asagao20210516gdi.jpg)
ですが、アサガオみたいに自分で勝手にフェンスなどに巻き付いてくれるほど
物分かりがよい植物ではありません。
![ノイバラ](http://rs-hamada.net/wp-content/uploads/2021/05/noibarafence20210515dg.jpg)
この画像はコンビニ近くのフェンス辺りに咲いていたノイバラですが、
こんな感じで、巻き付こうとする気配すらありません。
ノイバラの場合、枝が成長すればするほど太く硬くなるから
余計にフェンスなどに巻き付く可能性は下がってくるでしょう。
じゃ、どうするか?
そこで誘引という作業を行うわけです。
誘引とは人間の手を使ってノイバラの枝をフェンスなどの構造物に曲げるなどして
巻き付かせ、紐なんかを使って固定していく作業のことです。
![バラ](http://rs-hamada.net/wp-content/uploads/2021/05/bara20210515sgiu.jpg)
ノイバラはつる植物の仲間です。
つる植物とは自分の茎などで自分の体を支えるのではくて
フェンスとか他の植物に寄りかかるために茎を伸ばす植物のことです。
要するにノイバラの茎は自分の体を支えるのではなく
他に寄りかかるためにあるようなイメージです。
でも、先ほど解説したようにノイバラは近くにフェンスを置いていても
そのフェンスに巻き付くようなことはしません。
そこで誘引という方法を使ってノイバラを育てていくわけです。
ある意味、誘引という方法はノイバラの見た目をよくするというより
ノイバラを健康的に育てるために必要な方法だということです。
もちろん、誘引をすることでノイバラが平面というより立体的に見えるようになります。
平面だと面積=縦×横
立体だと体積=縦×横×高さ
なので、数字が大きくなる分、咲く花の数も増えるでしょう。
となると、育てているあなたもうれしいはずです。
ノイバラにする作業|頂芽優勢とは?
![ノイバラ](http://rs-hamada.net/wp-content/uploads/2021/05/noibara20210515sdgi.jpg)
ノイバラを育てるためにどうして誘引をするのか、
理解いただけましたか?
さっきまでの解説は大まかな解説だったので
もう少し科学的にどうして誘引したほうがよいのか説明しますね。
なぜノイバラを誘引するのかというと科学的には頂芽優勢を抑制するという意味合いがあります。
頂芽優勢(ちょうがゆうせい)という用語をご存じですか?
![頂芽優勢](http://rs-hamada.net/wp-content/uploads/2021/05/noibara20210518dgugugug.jpg)
まず頂芽優勢は『頂芽』+『優勢』と単語を分けて考えましょう。
で、頂芽とは茎とか幹の先端にある芽のことです。
簡単にいったらてっぺんから出ている芽のことを頂芽(ちょうが)といいます。
ただ、芽っててっぺんだけに存在しているわけではありません。
幹の途中からも出ていることがあります。
こんな感じで幹などの途中から出ている芽を側芽といいます。
側芽と頂芽だといっぱいエネルギーを使って
いっぱい成長するのは頂芽となります。
つまり、幹の途中にある芽はそんなに成長せず、
てっぺんの芽だけがどんどん成長するわけですね。
ではどうして頂芽だけどんどん成長するのでしょう?
頂芽からオーキシンという植物ホルモンの一種が分泌されるからです。
オーキシンというのはギリシャ語の『auxo(意味は成長)』から名づけられたそうです。
オーキシンには植物の成長を促進する作用があります。
人間や動物の体だと成長ホルモンのような役割がオーキシンにはあるわけですね。
つまり頂芽から成長を促すオーキシンが分泌されることから
側芽ではなく頂芽の方がどんどん成長するということです。
これを頂芽優勢といいます。
つまり頂芽優勢とは頂芽が優先的に成長することです。
頂芽優勢という性質によってノイバラを含む植物はどんどん上へ上へ成長することができます。
そして他の植物よりも上に行けば、
より太陽の光を浴びることができ、光合成をすることができるわけですね。
結果、他の植物よりも成長し、勢力を拡大することができます。
そのためノイバラを放置するとどんどん上に伸びるわけですが、
その代わり側芽が成長せず花が咲きません。
結果、上の方だけ花が咲くけど
地上に近い部分は花が咲かないという悲惨な状況になってしまいます。
![ノイバラ](http://rs-hamada.net/wp-content/uploads/2021/05/noibarafence20210515dg.jpg)
ここまでよろしいでしょうか?
では、オーキシンを分泌している頂芽を摘んでしまったらどうなると思いますか?
頂芽がなくなるわけですから、オーキシンの分泌量は減少、あるいはなくなりますね。
するとどうなるかというと
側芽が成長し始めるんです。
頂芽はてっぺんの芽だからどんどん上に伸びますが、
頂芽を摘んで側芽が伸びれば、横にどんどん伸びるということになります。
そしててっぺんでなく、地上に近い部分からもたくさんの花を咲くようになります。
そこで誘引という方法を使うことで、てっぺんの頂芽部分を横に寝かせる(フェンスに巻き付ける)ことで
頂芽優勢の悪い点(花がてっぺんしか咲かず、地上付近は花が咲かない)を防止することができます。
ノイバラにする作業|誘因の方法
![ノイバラ](http://rs-hamada.net/wp-content/uploads/2021/05/noibarafence20210514suf.jpg)
ここまで誘引とはどういうことで、なぜノイバラを育てるのに
誘引をしないといけないのか?解説しました。
では、誘引ってどうやればよいのでしょうか?
以下、誘引のやり方について解説します。
まず誘引を行う前に剪定しましょう。
![剪定](http://rs-hamada.net/wp-content/uploads/2021/05/sentei20210518dhi.jpg)
剪定とは簡単にいうと余分な枝を切ってスッキリさせることです。
余分な枝がないほうが誘引しやすくなります。
ただ、「上手く剪定ができないよ」とか「剪定のやり方が分からない」
という方もいるかもしれません。
そんな場合には、剪定せずに誘引作業をやっていきましょう。
悩んで何もしないより、何かやったほうがいろんな経験ができますからね。
![バラ](http://rs-hamada.net/wp-content/uploads/2021/05/bara202100522hdio.jpg)
誘引の原則は上に向かって伸びている枝を横向きに伸びるように曲げることです。
これは頂芽優勢のところで解説しましたね。
「よくわからない」という方は記事の上の方にある頂芽優勢のあたりをご覧ください。
次にワイヤーを用意してください。
![ワイヤー作業](http://rs-hamada.net/wp-content/uploads/2021/05/waiyasagyou20210523hdo.jpg)
ワイヤーを使ってノイバラの枝をとめつけ、
傷めつけることなく水平に伸びるようにするためです。
ですから、枝が傷つくようなワイヤーの使用はやめてください。
枝を傷つけないおすすめのワイヤーはこちらです。
⇒【 メール便 可 4個まで 】 セフティ−3 ガーデンソフトワイヤーフリー グリーン 3.5mm×5m
こういったワイヤーを使って無理なく水平になるように枝を曲げましょう。
無理なく曲げたら次に植物専用の誘引紐を使って固定します。
⇒司化成 誘引紐 白 #550
誘引作業は1人でやるには大変です。
1人が枝を曲げた状態をキープし、1人が誘引紐で固定するみたいな感じで
2人以上のチームを組んで誘引作業をしていった方がよいでしょう。
もし誘引しているときに、
明らかに邪魔な枝があるようなら
その枝を切ってください。
見栄えも大事ですよ。
最終的にはあなたが思い描いた状態を作り上げたらOKです。
誘引が終わったら、落ちている枝などをほうきやちり取りを使って回収し
ゴミ箱に入れて終了です。
お疲れ様です。
続いてノイバラの育て方について解説します。
⇒ノイバラの育て方