アケビの花って雄花と雌花で形が全く違うって
前回の記事で解説しました。
⇒アケビの花|雄花と雌花の違いを画像で解説
雄花と雌花で全く形が違う姿を観察するのも
楽しいものです。
ところでアケビの花を受粉させようと思ったら雄花と雌花の存在がないと成立しません。
「じゃ、上記画像みたいに同じ木に雄花と雌花があるんだから
受粉させるのなんてすごく簡単なことでしょ!?」
って思った方もいるかもしれません。
が、そう簡単ではありません。
ではどうやってアケビの花を受粉させたら良いのか?
受粉させる方法や注意点について説明したいと思います。
アケビの花を受粉させる方法
まず原則から。
どうにかして花粉が雌しべの先っぽについたら受粉します。
雌しべの先っぽはどこかについてはこちらの記事で解説しています。
⇒アケビの花|雄花と雌花の違いを画像で解説
では花粉はどうやって雌しべの先につくのでしょう?
例えば蜂といった昆虫であったり、人間の手など人為的な方法が考えられます。
蜂などの昆虫による受粉は昆虫に任せるしかありません。
ここでは人為的な方法について説明しますね。
人為的に受粉させるなら、開花した雄花の雄しべをピンセットなどを使って取ってください。
そして雌しべの先っぽに直接花粉をくっつけましょう。
雌しべの先っぽは前回の記事で解説したように
粘っこいので簡単に雄花の花粉をくっつけることができます。
⇒アケビの花|雄花と雌花の違いを画像で解説
うまく受粉させることができれば、
実がなりますが、ここで重要な注意点があります。
アケビの花を受粉させるための注意点
アケビを受粉させるときの注意点ですが、
別の種類同士のアケビで受粉させないと
うまくいきにくいということです。
アケビには
・アケビ
・ミツバアケビ
・ゴヨウアケビ
の3種類があります。
アケビには自家不和合性という特殊な性質があるんです。
自家不和合性とはどんな性質なのでしょう?
たとえばアケビの雌花に存在するめしべは
自分の花粉と自分以外の花粉とを区別できます。
で、自家不和合性とは
雌しべが自分以外の花粉とだけ結実し、自分のもの同士では
うまく結実できないという性質のことです。
アケビには自家不和合性があるため
どうしても同じ種類のアケビ同士で受粉させようとしても
結実しにくいです。
たとえば
アケビからアケビ、
ミツバアケビからミツバアケビ、ゴヨウアケビからゴヨウアケビ
のパターンだと結実しにくいってことです。
そうではなくて、アケビからミツバアケビやゴヨウアケビ
ミツバアケビからアケビ、あるいはゴヨウアケビ、
ゴヨウアケビからアケビ、あるいはミツバアケビなら
受粉させると結実しやすいです。
このことを相互受粉といったりします。
ちなみに『自家不和合性がある』という表現は
『自家結実性が弱い、あるいはない』という意味と同じです。
だから自然にアケビが結実するケースというのは
近くに別な種類のアケビが存在するパターンが一般的でしょう。
よほど花粉をくっつけた蜂が遠くまで飛んで行ってくれるなら
話は別ですが。
別の種類でないとうまくいかないということなので
挿し木で2株にして、受粉させるのもうまくいきません。
実際は自分同士ですから。
ですから、あなたの自宅に1本のアケビの木しかないけど
どうにかして受粉させたい場合には
別の種類のアケビを買うか、知り合いからもらって挿し木して増やすようにしましょう。
今育てているアケビがミツバアケビ以外の方はこちら
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