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キョウチクトウ科

毒がある夾竹桃(キョウチクトウ)をなぜ植える?5つの理由をご紹介します

キョウチクトウ




キョウチクトウには青酸カリよりも強力な毒があります。
しかも葉っぱにも花にも根っこにも、
周辺に土にも毒が存在します。

そんな恐ろしい毒を持つ夾竹桃(キョウチクトウ)をどうして
街路樹とか公園に植えるのでしょう?
不思議じゃありませんか?

もし街路樹とか公園にあるキョウチクトウを子供が食べたり舐めたりしたら
命の危険が出るんじゃないか?と冷や冷やしてしまいます。
このように書くと、「そんなこと起こらないでしょ!」
って突っ込まれそうですが、実際に小学校に植えてあるキョウチクトウを
食べてしまい、救急搬送されたという実例があります。

ではどうして強烈な毒を持つ夾竹桃を
公園とか街路樹に植えるのでしょうか?
今回は5つの理由をご紹介したいと思います。

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キョウチクトウ(夾竹桃)をなぜ植える?

では以下、5つの理由をご紹介していきます。

理由(1)子供たちを有害な虫から守るため

キョウチクトウ

記事の冒頭でも書きましたがキョウチクトウの葉っぱを食べて小学生が救急搬送されたという実例があります。
でも、こういった悲惨な事例は年に何件も起きているわけではありません。
ごく少数です。

こういった悲惨な事例以上にキョウチクトウを公園などに植えるのは
メリットがあるからです。

ではどんなメリットがあるのでしょう?
キョウチクトウを公園などに植えると
有害な昆虫とか小動物、毒蛇などを別の場所に追いやってくれるというメリットがあります。

ところで私は獣医師として日々犬猫の診察をしています。
当ブログ管理人のプロフィール

犬のノミ取り首輪ってご存じですか?
動物病院で販売されてなくてペットショップで販売されているのですが、
ノミ取り首輪には忌避剤っていって、犬にノミが近寄らなくするという効果があります。
夾竹桃(キョウチクトウ)の毒もある意味ノミ取り首輪と似たような作用があるのかもしれませんね。

キョウチクトウは強烈な毒を持っているがために
有害な虫や生物が近寄りにくくなります。
つまりキョウチクトウをなぜ植えるか?というと
公園や小学校にいる子供たちを害虫や有害な生物から守るというメリットがあるわけですね。

なので人間がキョウチクトウを食べたり燃やした煙を吸ったりするのは危険。
でも自然界では有害な生物を寄せ付けないという意味で
有用な植物だと考えることもできますね。
まさにキョウチクトウは「毒を以て毒を制す」ってことわざがピッタリな植物だと思います。

よく除草剤を舐めて
嘔吐や下痢などの激しい症状が出ている犬の診察をします。
でも、キョウチクトウなどの有毒な植物を食べたという診察はかなり少ないです。
何がいいたいか?というと
除草剤とか殺虫剤という化学物質で害虫などの被害を防ぐよりも
キョウチクトウみたいな自然に存在する植物で
害虫などの被害を防ぐ方がかえって安全なのかもしれませんね。

『毒を以て毒を制す』タイプの植物はキョウチクトウ以外にもあります。

シキミの葉シキミの葉

たとえばシキミです。
シキミには毒があって実もできることから『悪しき実』っていわれてたりします。
そして悪(あ)しき実の『悪(あ)』が取れて『シキミ』という名前になったそうです。

シキミもキョウチクトウと同じで全体的に毒を持っています。
シキミを墓場で見かけることもあると思います。
なぜ墓場で見かけるか?
野生動物やマムシなどがこの毒を嫌って近寄らないようにするためです。
シキミを置いておけば墓場を荒らす動物や有害生物が近寄らないわけですね。

理由(2)復興のシンボルになっているから

キョウチクトウ

キョウチクトウは日本原産の植物ではありません。
外来種だってことです。
ネパールとかインドに自生する植物です。

日本ではキョウチクトウは有毒で食べたり煙を吸ったら
命に関わる危険な植物だと認識している方が多いと思います。
でも、インドやネパールでは『ネパール・インドの聖なる植物事典』に掲載されるほど
神聖な植物として扱われてます

ネパール・インドの聖なる植物事典 [ トゥリロク・チャンドラ・マジュプリア ]

こんな感じで場所が変わればキョウチクトウに対するイメージが
違ってくるわけですが、同じ日本でもイメージが違うってこともあります。

たとえば広島市です。
広島は原爆が投下された場所です。

原爆が投下された当初は「今後70年間は草木さえ生えないだろう」
といわれていたそうです。

キョウチクトウ

でも、原爆が投下された次の年には
キョウチクトウの花が咲いたそうです。
そして広島市民に生きる希望が生まれたそうです。

そんなことがあって原爆からの復興の象徴として
広島市の花になったそうです。

だから毒があるかどうかという問題でなく
復興の象徴としてキョウチクトウを植えるということもあります。

理由(3)有害物質を防ぐから

キョウチクトウ

キョウチクトウは少し寒さに弱いです。
インドやネパールみたいな比較的暖かい地方が原産ですからね。
仕方ないかもしれません。

でも、寒さ以外でいったら
キョウチクトウは人間で例えるとものすごく強靭な体をしています。

キョウチクトウは

・水不足に強い
・塩水(他の植物だと枯れる原因)に強い
・大気汚染の影響も受けにくい

です。

しかもキョウチクトウは空気をきれいにしてくれますし
毒性が強くて大気汚染の原因になる二酸化硫黄ガスを吸収できます。

どうしてキョウチクトウは空気を浄化してくれるのでしょう?
理由としてはキョウチクトウの葉っぱの裏側にちょっとくぼんでいるところがあって
内側に毛が生えていてそこがフィルターの役割を果たしているそうです。

これって人間や動物と似ています。
人間や動物の鼻の中には線毛という細かい毛があって
ホコリや菌などをくっつけて
体内に有害なものを入れないようにしています。

キョウチクトウの異物から自分の身を守る機能と人間や動物の線毛の役割と
すごく似ていますよね。

そんなこともあって

キョウチクトウは

・公園
・街路樹
・高速道路沿い
・工場周辺

などに植えるわけですね。

キョウチクトウって自分は猛毒を持っていて人間や動物を傷つけるのに
有害物質を含む空気を浄化してくれるという役割を果たしているって
不思議な植物なんですね。

理由(4)そもそも食べたいと思える要素がないから

キョウチクトウ

記事の冒頭で、小学生がキョウチクトウの葉っぱを食べて
救急搬送されたという事例をご紹介しました。

ただ、日本で子供がキョウチクトウを食べて中毒を起こした事例というのは
上記事例くらいです。
他にも必死で探せば数検くらいはあるでしょうけどその程度です。

それからキョウチクトウに毒があることを一般の方はほとんど知らないと思います。
ですが大人が公園で見つけたキョウチクトウの葉っぱをあえて食べたりしないでしょう。
キョウチクトウって赤い実がなりますが、
硬そうですし、あえて食べたくなるような見た目は持ち合わせていません。

以上の点から、公園や街路樹にキョウチクトウを植えても
食べて中毒を起こすということはほとんど起こりません。
逆に有害ガスを吸収してくれたり、
害虫や有害な動物から公園や墓を守ったりというメリットの方が大きいので
キョウチクトウはいろんなところで植えられているのです。

理由(5)街路樹の要件を備えているから

キョウチクトウ

先ほどもいいましたが、
キョウチクトウは有害ガスを吸収してくれます。
一般的な植物なら有害ガスを吸収する前に枯れてしまうでしょう。
でもキョウチクトウは有害なガスに対しての防御力が高いです。

何がいいたいか?
というと街路樹とは道路の両側に並んで植えられている樹木のことです。

道路の周辺って排気ガスがいっぱい出ているわけですよね。
そんなところに植える植物は当然、排気ガスなどの有害ガスに対して
強い植物でないといけません。

排気ガスの影響ですぐ枯れる植物を植えたら
枯れた木を除去したりと手間が増えたりしますから。

しかもキョウチクトウは乾燥に強いです。
水やりをあえてやる必要はないってことです。

もし水やりが頻繁に必要なら
道路の管理者である市の職員の仕事が無駄に増えます。
でもキョウチクトウは水やりがほとんど不要なため
手間がかかりません。

しかもキョウチクトウはきれいな花を咲かせます。
以上の理由からキョウチクトウは街路樹に向いている植物だから
あえて植えられているのです。

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キョウチクトウ(夾竹桃)は最近になって植えるのを控えるところも

キョウチクトウ

以上の理由からキョウチクトウは公園などに植えられているわけですが、
現在の日本は安全意識が高まっていますよね。
そんなこともあって小学校とか公園で
あえてキョウチクトウを植えるという機会が減ってきているようですよ。

以上で解説を終わります。

次の記事ではキョウチクトウの毒性や花言葉などについて解説します。