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学術

植物細胞における体細胞分裂を図を使ってわかりやすく解説

体細胞分裂 植物細胞




今回の記事では植物細胞における体細胞分裂を図を使ってわかりやすく解説します。
途中で染色分体や相同染色体の違いについても簡単に説明します。

獣医師免許証

ちなみにこの記事を書いているのは獣医師です。
大学受験で生物の勉強をしていましたし、
獣医大学では当然、染色体とか遺伝子などの講義は頻繁にありますし
獣医師国家試験でも頻出分野なので、得意です。

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植物細胞における体細胞分裂の過程|間期と前期

植物細胞における体細胞分裂の過程です。
体細胞分裂の元の細胞を『母細胞(ぼさいぼう)』といいます。
英語だと『Mother cell』となります。

母細胞が分裂すると、2つの娘細胞(じょうさいぼう、むすめさいぼう)になります。
娘細胞を英語で『Daughter cell』となります。

面白いですね、英語では『Father cell』とか『Sun cell』とか言わないんですね。
『Mother cell』と『Daughter cell』といいます。

そして体細胞分裂の過程は?というと、
まず間期があります。

間期

植物細胞なので細胞壁があって、核があります。
核の中に染色体や遺伝子があります。

この細胞は当然、分裂前なので『母細胞』ですよ。
間期に遺伝子とか染色体が複製されます。
ちなみに染色体と遺伝子は違います。

染色体は船で、この船(染色体)の上に遺伝子という情報が乗っているというイメージです。

この細胞の情報を載せた船(染色体)や情報そのものである遺伝子が
これから細胞が2個になるわけですから、倍にならないといけないわけです。

今まで、双子が同じ家に住んでいたとしましょう。
この双子が別々の家に暮らすイメージです。
別々に暮らすので、今まで2人で1つのものを使っていたわけなので、
2つにわかれるなら、それぞれ1つずつ必要になりますね。

なので、1つの細胞だったから核の中に遺伝子(情報)が1セットあればよかったわけです。
この1セットある情報をコピーして(細胞分裂して)倍にしていきます。

倍にした状態が前期です。
つまり、間期から前期に移行します。
間期

前期は間期の核の中にある染色体に注目です。

染色体

上記画像をご覧ください。
上側がもとあった染色体(遺伝子を乗せた船)とまったく同じものが下にできます、
これはコピーされた染色体です。

ここでよくある間違いが、「それって相同染色体ですよね!?」です。
相同染色体とは形と大きさが同じものをいいます。
でも、上記画像のコピーされた染色体は相同染色体ではありません。

相同染色体ではなく、コピーです。

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相同染色体と染色分体の違い

相同染色体とはお父さんからもらった遺伝子を乗せた染色体と
お母さんからもらった遺伝子を乗せた染色体の形と大きさが同じもののこと
です。

最初はお父さんの染色体とお母さんの染色体は1つずつしかありませんでした。
それが間期です。

間期の染色体

この父からきた染色体1つと母からきた染色体1つをそれぞれ元の細胞は持っています。
ですが、分裂して前期になると、、、

相同染色体

父からきた染色体が2つになるわけです。
母からきた染色体も2つになるわけです。

父からきた染色体を見ると、元の染色体とまった同じ情報がのった
コピーされた染色体があり、
母からきた染色体も同様で、元の染色体とまったく同じ情報がのった
コピーされた染色体があります。

相同染色体とは

・父の染色体(元の染色体+コピーされた染色体)
・母の染色体(元の染色体+コピーされた染色体)

のことです。

では父、母それぞれにある、
元の染色体とコピーされた染色体のことを総称して何というのでしょう?

染色分体

染色体が分かれたように見えるので染色分体(せんしょくぶんたい)といいます。

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植物細胞における体細胞分裂の過程|中期・後期・終期

間期

で、間期だとこういった染色分体とか相同染色体が見えません。
でも、前期に入ると、染色分体や相同染色体が見えるようになります。

前期と中期

中期に入ると染色体が赤道面に並びます。

後期

後期になると紡錘糸という糸に引っ張られて
染色体が両サイドに動きます。

染色分体

両サイドに開くというのは、染色分体が分かれるということです。

ここまで復習しましょう。

前期と中期

前期でお父さんからきた遺伝情報を持った染色体1つ、
お母さんからきた遺伝情報を持った染色体1つで合計2つありました。

で、前期でコピーができるので、2×2=4つになります。
それから中期を過ぎ、後期に入り、

後期

4つあった染色体が染色分体で分かれて、上下に移動し
上へ2つ、下へ2つ移動するわけです。

つまり、体細胞分裂というのはもとの母細胞(間期)にあった染色体が
分裂するにあたって、コピーをとって(前期)倍になり
それが分裂の結果、また元に戻る(終期)という分裂なのです。

で、周期で2つに分かれ娘細胞ができ(2つできるということ)ます。
そしたらまた間期に戻ります。
これを繰り返します。

前回の記事で解説しましたが体細胞分裂と減数分裂は違います。
生殖細胞と体細胞の違いを植物を中心にわかりやすく解説

減数分裂は生殖用の細胞を作るための分裂で
体細胞分裂は皮膚とか胃とか腸などを作るための分裂です。
植物だったら形成層などの細胞で盛んに起きている分裂が体細胞分裂です。

体細胞分裂は前と同じ細胞がこないといけないから
細胞の中の遺伝情報が複製されて
前と同じものがそっくり2つの細胞に入るようにコントロールされています。

これはどこで見られるか?というと
遺伝情報を載せた染色体です。

染色体が増えて並び(染色分体)、後期で分かれて
元の状態になり(終期)、大きくなったら(間期)、
染色体が倍になって(前期)別れて(後期)
また元の状態に戻り(終期)を繰り返します。

何回分裂しても絶対に細胞の中の設計図(遺伝情報)は減りませんし増えもしません。
これが体細胞分裂です。

以上で解説を終わります。

続いて動物の場合と植物の場合で体細胞分裂がどう違うのか?
違いは2つあるので、解説したいと思います。