今回の記事では離層形成とは何か?
わかりやすく解説したいと思います。
離層形成とは?
秋によくあることですが、木枯らしが吹くと
紅葉した葉っぱが枝から落ちますよね。
夏は台風が来ても落葉しないときもありますよね。
ではどうして葉っぱが落ちることがあるのでしょう?
葉っぱの付け根(葉柄)に離層という名の細胞層が作られるからです。
離層は小さい細胞からできていて、維管束の繊維を持っていないため
物理的な強度が弱いのです。
その結果、風などの物理的な刺激によって
離層の部分から簡単に葉っぱが落ちていってしまいます。
「葉柄の場所などがよくわからないよ」という方はこちらをご覧ください。
⇒葉柄とはどの部分なのか?画像を使ってわかりやすく解説
離層の場所はこちらです。
上記画像をご覧ください。
画像の右のほうに葉っぱがついている感じです。
右側の葉っぱから、葉っぱの付け根をたどっていってください。
実際はピンク色ではありませんが、
ピンク色のところに『離層』がありますね。
よく見てください。離層の細胞は他の細胞と比べると小さいですね。
あと、水色のところをご覧ください。
鉄筋コンクリートみたいになっているのが繊維です。
でも、よく見てください。
離層のところだけ繊維が走ってませんよね!?
つまり、離層のところだけ鉄筋コンクリートがないわけです。
ある意味、手抜き工事状態なわけですよ。
しかも、離層の細胞は他の細胞と比べて小さいです。
細胞が小さいということは細胞と細胞の間に接着剤がいっぱい使われて、
つなぎ目が多いわけですよ。
細胞と細胞はくっついて存在しているわけですから、
小さい細胞がいっぱいくっついているということは
いっぱいつなぎ目があるということになりますね。
つなぎが多い離層の細胞とつなぎ目がない、鉄筋コンクリート(繊維)では
どっちの方が強度が高いでしょう?
それはつなぎ目が多い方が強度的に見たら弱いでしょう。
小さい細胞でつなぎ目が多いということは
幼稚園児が10人くらい集まっておしくらまんじゅうをしているような感じです。
これに対して鉄筋コンクリートは身長2m体重100㎏の男性が大統領の護衛をしている感じです。
そう考えたら小さい細胞でつなぎ目が多い離層の細胞はいかにも弱そうですね。
だから、こういった離層みたいな弱い層ができたら
風が吹くだけでも、落葉してしまうわけです。
ではどうしてそんな弱い離層形成ができてしまうのでしょう?
原因は植物ホルモンの影響です。
⇒植物ホルモンとは?わかりやすく解説
植物ホルモンの一種、オーキシンの濃度が下がってくると
離層が形成されてきます。
⇒オーキシンの働きについてわかりやすく解説
⇒オーキシンとは?わかりやすく解説
ですから、オーキシンの濃度が高い時は離層はできません。
オーキシンの濃度が下がってくると離層ができ、
落葉し始めます。
植物には一年中、基本的に落葉しない常緑樹と
秋冬になると落葉する落葉樹がありますが、
こういった離層形成が関係しているということですね。
以上で解説を終わります。