前回の記事では植物の屈性と傾性について解説しました。
⇒植物の屈性と傾性についてわかりやすく解説
不思議な性質でしたね。
実際、不思議な性質だと感じ、
いろんな研究者たちが植物の屈性や傾性について研究しました。
そして屈性の研究を通してある植物ホルモンを発見したのです!
オーキシンです。
おそらくオーキシンを見つけようと思って研究したわけではないでしょうけど、
この屈性を最初に研究して論文を出した人は、
実はあの『ダーウィン』です。
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もしかして「進化論のダーウィンですか?」と思った方もいるでしょう。
そうです。進化論のダーウィンです。
ダーウィンは生物学者ですから、
別に進化論だけやってたわけではありません。
ダーウィンはフジツボの研究もやってましたし、
植物の研究もやってました。
そのダーウィンなどがやっていた(光)屈性の研究から
どんなことがわかったのでしょう?
今回の記事ではダーウィンがやった光屈性の実験についてわかりやすく解説します。
ダーウィンがやった光屈性の実験
上記画像はクサヨシというイネ科の植物です。
そして上記図はクサヨシの芽生え(種から芽が出て地上に飛び出したもの)を図にしたものです。
左側の図は光を与えると、光の側に曲がることを示しています。
また、前回解説した通り、
光が当たり曲がることを繰り返していくうちに成長しますから
曲がって伸びていますね。
これを成長運動というのでしたね。
⇒オジギソウの特徴(成長運動と膨圧運動の違いを知っておこう)
次に右側の図をご覧ください。
先端をチョキッと切りました。
先端を切った後に光を与えても伸びません。
ということはクサヨシの先端部分が光を認識しているということです。
次にこちらの図をご覧ください。
③をご覧ください。
先端に透明なキャップをかけて光を与えると、曲がって伸びます。
次に④先端に不透明なキャップを被せて光を与えると
伸びはするけど曲がりませんでした。
ということから、クサヨシが光を認識しているのは先端だなとわかったわけです。
以上のことからダーウィンさんは推論として
クサヨシ(イネ科の芽生え)が光を感じるのは先端部で
屈曲するのはやや下の部分だと考えました。
ダーウィンさんがやった実験で先端がないと曲がらないということから
光を認識するのは先端部分だということです。
あと、ダーウィンさんがやった実験で
どこが伸びたのか、調べました。
一番伸びたのは上記画像の水色の〇で囲った部分(成長域と書いてあるところ)でした。
ということは光を認識するのは先端で、
一番成長しているのは先端よりやや下だということで、
ここを成長域とか伸張域、伸長部などと表現します。
つまり、先端よりやや下に伸張域(成長域)があるということです。
以上がダーウィンの光屈性に関する実験です。
次の記事ではボイセン=イェンセンの実験について解説します。
⇒ボイセン=イェンセンの実験についてわかりやすく解説