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光合成

光合成は光の強さに依存する?




前回の記事では光合成の仕組みについて解説しました。
光合成の仕組みを図を使いながらわかりやすく解説!中学高校生物の復習

光合成って太陽の光を浴びることで行われる反応ですよね。
ですから、光が強ければ強いほど、
光合成により、たくさんのブドウ糖ができそうな気がします。

実際のところどうなのでしょうか?
わかりやすく解説していきます。

ただお忙しい方のために先に結論を述べておきます。

結論

光合成は光の強さに依存するか?というと、
光飽和点より左側のエリアだと依存しますが、
光飽和点より右側のエリアでは光がどれだけ強くなっても
二酸化炭素の吸収量は増えません。

理屈を知りたい方は以下、ご覧ください。

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光合成は光の強さに依存するのか、図を使って説明

まずこちらのグラフ(図)をご覧ください。

光合成速度

縦軸は光合成速度(単位時間当たりの二酸化炭素の吸収量)を表しています。

こちらは光合成の反応式です(係数は省略しています)。

$H_2O $(水)+$CO_2 $(二酸化炭素)⇒$C_6H_{12}O_6 $(ブドウ糖)

光合成というのは原材料の$CO_2 $(二酸化炭素)をいっぱい吸収して行われるわけですから、
いっぱい吸収していればしているほど、光合成をいっぱいやってくれそうな気がしますよね。

で、ですね、「光合成なだけに光を強くすれば(横軸)、
光合成をいっぱいするのでは?二酸化炭素をいっぱい吸収するんじゃないの?」
っていうふうに考えた方が多いでしょう。

でも結論としては違いました。

光合成速度

上記グラフで光飽和点という点から先は
二酸化炭素の吸収量が一定になっていて、増えていませんね

光が弱い段階(光飽和点より左側)では光の強さに比例して
光合成速度(二酸化炭素の吸収量)も上昇していますが、
光飽和点を過ぎると(右側)二酸化炭素の吸収量は一定になります。

ではどうしてこんな現象が起こってしまうのでしょう?

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光飽和点を過ぎたら光合成が光の強さに関わらず一定となる理由

光合成速度

前回の記事で光合成はブドウ糖製造工場だと説明しました。
光合成の仕組みを図を使いながらわかりやすく解説!中学高校生物の復習

ブドウ糖製造中

このブドウ糖製造工場に必要な要素は3つあります。
「これがないとブドウ糖ができないよ」という要素が3つあるってことです。

水はあるものだという前提に立つと、

ブドウ糖製造工場に必要な要素3つとは

・光
・温度
・$CO_2 $(二酸化炭素)

のことです。

例えるのであれば光は工場の電力です。
温度は人材とみることができます。
温度が快適であれば労働者(人材)もやる気になるということです。
暑すぎると熱中症になって倒れるかもしれませんし、
寒すぎると手がかじかんで、仕事の効率が落ちるでしょう。

$CO_2 $(二酸化炭素)は材料とみなすことができます。

光が弱い範囲

まず、光が弱い部分(上記グラフピンク色の部分)を見ていきましょうか。
光が弱い段階では光が強くなるほど光合成速度が上がっていきます。

この段階を例えてみますと、
ブドウ糖工場(光合成の場のこと)であなたは働いている労働者だとしましょう。
この光が弱い段階だと労働者であるあなたはやる気満々です。

先ほど、光を工場の電力に例えました。

光が弱い段階ということは
電気が賄われていない状態。

つまり、労働者のやる気はあるけど、
電力がないから工場が動いていない状態だということです

それが少しずつ光が強く(電力が強く)なり、
工場が稼働し始め、労働者が水を分解したりしてブドウ糖を生産している状況です。

ただ、光が弱い段階というのは工場が完全に動いていない状況だと理解してください。
ですから、どれだけ温度という人材(労働者)にやる気があったとしても
仕事ができない状況です。

そんなこともあって、少しでも光が入ると(電力が賄われると)
工場が稼働するため、労働者も頑張るため二酸化炭素の吸収量がアップするわけです。
だから光が弱い段階でのグラフは右肩上がりとなります。

ブドウ糖製造工場に必要な要素3つとは

・光
・温度
・$CO_2 $(二酸化炭素)

でした。

光が弱い段階というのは足を引っ張っている要因は
『光』ですね。
光が弱いせいで、電力が賄われず、温度という労働者が頑張ろうとしても
工場が稼働していませんでした。

こういうのを限定要因といいます。
限定要因とは足を引っ張っている要因のことです。
光が弱い段階における限定要因は『光』だということです。

次に、一定になっているところを見ていきましょう。

一定になっているところ

くどいようですが、

ブドウ糖製造工場に必要な要素3つとは

・光(電力)
・温度(人材、労働者)
・$CO_2 $(材料)

です。

今度は光が強い段階ですね。
光が強いというのは電力が多い(工場がフル稼働している)状態ですね。
光が強すぎる状態です。
でも温度(人材)は今いる人しかいません。

だから光がこれ以上強くなったとしても
人材が足りないし、二酸化炭素という材料も足りません。
言い換えると温度(人材)と二酸化炭素(材料)が足をひっぱってしまい
これ以上の生産ができません

だからグラフが一定になっているのです(縦軸において上にいかないということ)。

つまり、温度と二酸化炭素濃度が限定要因となります。

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光飽和点とは?

光合成速度

次に光飽和点とはどういう点でしょう?
まず単語を分解してみましょうか。
光『飽和』点の『飽和』ってどういう意味でしょうか?

飽和とはお腹がいっぱい、もういらないという状態です。
つまり、光飽和点とは光がお腹いっぱいでもういらないという状態のことです。

一定になっているところ

こんなに光があって電力を確保できているから
もうこれ以上不要だということで、光飽和点より右側のエリアは
グラフが一定になっているわけです。

最後にまとめますと

光合成は光の強さに依存するか?というと、
光飽和点より左側のエリアだと依存しますが、
光飽和点より右側のエリアでは光がどれだけ強くなっても
二酸化炭素の吸収量は増えません。

以上、参考にしていただければ幸いです。

続いて光飽和点と混同しやすい光補償点についてわかりやすく解説していきます。
光補償点とは?わかりやすく解説