前回の記事では酵素(触媒)の触媒作用について解説しました。
⇒酵素の触媒作用についてわかりやすく解説
今回の記事では基質特異性とは何か?
わかりやすく解説していきます。
基質特異性についてわかりやすく解説
酵素(触媒)というのは酵素ごとに独特な形をもっています。
どうして独特な形をしているのか?というと、酵素というのはタンパク質でできているからです。
タンパク質というのは名前が違えば形が違います。
たとえば、ペプシンの形と筋肉のミオシンの形は違います。
同じ筋肉でもミオシンとアクチンの形は違います。
こんな感じで名前が違えば形が違います。
これはタンパク質の特徴になります。
これは知っておいてくださいね。
ところである酵素があるとしましょう。
その場合、前回解説した基質は下図の上と下のどちらの形をしているでしょう?
⇒酵素の触媒作用についてわかりやすく解説
するとピッタリうまくくっつくのは下側になりますね。
酵素と基質がうまくくっつきますね。
だから酵素は基質を選ぶということです。
逆に酵素とうまくはまる物質こそが基質であって、
そんな基質としか反応しません。
ちょうど1対1の関係となるわけです。
また、前回の記事で解説したように
酵素と基質がハマったあと、酵素が元に戻り、生成物ができます。
⇒酵素の触媒作用についてわかりやすく解説
こんな感じで酵素は基質を選ぶということを基質特異性といいます。
最後にまとめますと、
酵素がタンパク質でいろんな形があるため基質特異性という話がでてくるわけですね。
そして基質特異性というのは酵素と基質がぴったりとハマる場合しか反応しないということです。
だから、たんぱく質でないただの化学物質である二酸化マンガンみたいな触媒であるけど、酵素でない物質は
基質特異性はありませんよ。
こういう意味では酵素と触媒の共通点はどちらも
ある化学物質の反応を早めるという点では同じです。
でも、酵素と触媒の違いとして
酵素はタンパク質だから基質特異性があるけど、
二酸化マンガンみたいな触媒は化学物質であるけどタンパク質でないものだと基質特異性はありません。
どちらも反応を早める
だから酵素と触媒は同じという説明をされているケースは多いですし、
実際、ほとんどのケースでは酵素=触媒という理解でOKです。
でも、酵素と触媒には違いがあって、
・酵素はタンパク質で形がみんな違うから基質特異性がある
・触媒(酵素でない)は基質特異性はない
ということです。
ところで酵素はタンパク質だということで
次の記事では酵素の活性部位について説明します。
⇒酵素の活性部位とはどういうこと?わかりやすく解説