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代謝

窒素同化の仕組みについて化学式や起こる場所などわかりやすく解説

窒素同化の仕組み




前回の記事では炭酸同化と窒素同化の違いについて解説しました。
炭酸同化と窒素同化の違いとは?わかりやすく解説

今回の記事では窒素同化について化学式や起こる場所などわかりやすく解説します。

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窒素同化についてわかりやすく解説:土壌(硝化)

植物の同化には

・炭酸同化
・窒素同化

の2つあります。

炭酸同化は光合成や化学合成など、
植物がエネルギーを作るのに必要な同化の一種でしたね。
炭酸同化と光合成の違いとは?

残るは窒素同化なのですが、
どうして植物は窒素同化をしているのでしょう?
核酸やタンパク質のように『窒素』を含む物質って
炭酸同化をどんなに頑張っても作ることができません。

だから植物は窒素同化をやっているのです。
窒素同化とは地面の中の$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)とか$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)といった
イオンを直接使って生物が必要なアミノ酸などを作る過程のことです。

ではまずこちらの図をご覧ください。

窒素同化の仕組み

図の①をご覧ください。
植物は土壌中の$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)や$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)を吸収します。
どうして地面の中に$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)や$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)があるのでしょう?
$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)は生物の遺体や排せつ物が分解されることでできます。
で、土壌中に発生した$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)は放っておくと
亜硝酸菌によって$NO_2^{ー} $(亜硝酸イオン)に変化します。
$NO_2^{ー} $(亜硝酸イオン)は硝酸菌によって$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)に変化するのです。

ここで気をつけて欲しいことがあります。
この①の変化が起こる過程は窒素同化ではありません

$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)⇒$NO_2^{ー} $(亜硝酸イオン)⇒$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)

の過程を窒素同化だと思っている方がいます。
でも違います。

この過程は化学合成の一部で『硝化(しょうか)』といいます。
『硝化(しょうか)』です。
ご飯食べた後に起こる『消化(しょうか)』ではありません。
硝酸の硝に化けると書いて硝化です。

化学合成についてはこちらの記事でめちゃくちゃ詳しく解説してますのでご覧ください。
(ただ6000文字以上書いてますので覚悟してください(苦笑))
独立栄養生物に該当する細菌はどうやってエネルギーを作ってる?

私は獣医師で動物のことを勉強する労力を最近、植物に書けてますので
相当真剣な記事に仕上がっていると思います。
当ブログ管理人のプロフィール

窒素同化の仕組み

話を元に戻します。
①でNH_4^{+} $(アンモニウムイオン)⇒$NO_2^{ー} $(亜硝酸イオン)
に関係する亜硝酸菌であったり、
$NO_2^{ー} $(亜硝酸イオン)⇒$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)に関係する硝酸菌は
硝化という反応で無機物を酸化して出てきたエネルギーを炭酸同化で使います。

つまり硝化と炭酸同化が組み合わさって硝酸菌や亜硝酸菌の化学合成になるわけですね。

くどいようですが、①の
$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)⇒$NO_2^{ー} $(亜硝酸イオン)⇒$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)
は化学合成の話であって窒素同化の話ではありませんからね。
ご注意ください。

窒素同化の仕組み

窒素同化は①でできた$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)や$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)を取り込むところからです
$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)や$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)ができる過程は硝化であって窒素同化ではありません。

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窒素同化についてわかりやすく解説:根っこ

窒素同化の仕組み
次に②に移動します。
根っこから$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)や$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)が吸収されます。
$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)はそのまま利用可能です。
でも、$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)は植物にとって使いにくいです。
なぜなら窒素同化というのはアミノ基($NH_2 $)を含んだアミノ酸を作る同化です。
$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)はアミノ基と形が似てますよね。
でも$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)はアミノ基と形が似てませんよね。

だから根っこから$NO_3^{ー} $(硝酸イオン)を取り込むまではよいのですが、
アミノ基($NH_2 $)と形が似てないので$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)に
化学変化させます。

以上が②の話です。
②はもちろん窒素同化ですよ。

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窒素同化についてわかりやすく解説:葉っぱ

窒素同化の仕組み
次に③に移動します。

③では窒素を含まない有機物$COOH $(カルボン酸)が登場します。
ただ、カルボン酸と表現するのは化学の話です。
生物の体の中にある有機酸はほとんどが$COOH $の形をしています。
だから化学的にはカルボン酸といいますが、
生物学では有機酸といっても間違いではありません。
だからカルボン酸のことを有機酸ということが多いです。

ということでこの記事でも$COOH $(カルボン酸)を有機酸と書きますね。
この有機酸はアミノ基($NH_2 $)を持っていません。

クエン酸回路

ちなみにアミノ基($NH_2 $)を持っていない有機酸は
どうやってできると思いますか?
この有機酸は光合成によってできたものです。
具体的にはクエン酸回路で有機酸ができます。
クエン酸回路でクエン酸、コハク酸、ピルビン酸などの有機酸ができます。

窒素同化の仕組み
こういったアミノ基($NH_2 $)を持っていない有機酸と
地面の中から取り込んだ$NH_4^{+} $(アンモニウムイオン)が反応します。
するとアミノ酸ができます。

アラニン

ちなみにアミノ酸って$COOH $(カルボン酸)とアミノ基($NH_2 $)を
両方とももっていることからも、
「あぁ、そういうことなのか」と納得がいった方もいるのではないでしょうか。

上記化学式はアミノ酸の一種、アラニンですが、
アラニンをよくみると$COOH $(カルボン酸)とアミノ基($NH_2 $)の両方が
きちんと入っていますね。

できたアミノ酸は

・タンパク質
・核酸
・クロロフィル
・ATP

になったりします。

こうやって窒素同化をすることで
植物は花を作ったり種を作ったりして生きていけるわけですね。

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窒素同化についてわかりやすく解説まとめ

特に植物の場合は光合成ができます。
だから光合成を頑張れば頑張るだけ炭水化物や脂肪のような窒素を含まない物質は
いっぱいできます。

でも植物が生きていくのに必要なたんぱく質や核酸などは
いくら光合成を頑張ってもダメです。
だから窒素同化を頑張るわけです。

窒素同化を頑張ることで
体の中にたんぱく質や核酸ができるわけですね。

ちなみに窒素同化は窒素固定とは違います。
詳しくはこちらをご覧ください。
窒素同化と窒素固定の違い

でも