ランタナってアジサイの縮小版みたいじゃないですか?
アジサイもランタナも細かい花がたくさん咲いていて見ていて癒されますよね。
でもアジサイはお庭に植えても問題ありませんが、
ランタナは植えてはいけない植物といわれたりします。
この記事ではなぜランタナを植えてはいけないのか?
理由を7つ挙げて解説していきます。
さすがに7つの理由を知ったらランタナを植えようなんて
思わなくなるはずですよ。
目次
なぜランタナを植えてはいけない?理由(1)生態系に悪影響が出るかもしれないから
どうしてランタナを植えてはいけないのでしょう?
ランタナが増えれば増えるほど
生態系に悪影響が出るかもしれないといわれているからです。
これは私が言っているわけではありません。
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実はランタナは『世界の侵略的外来種ワースト100』というリストに
掲載されている植物なのです。
『世界の侵略的外来種ワースト100』ってどれだけ悪そうなやつなんだ!
って感じですよね。
『世界の侵略的外来種ワースト100』とは
IUCN(国際自然保護連合)が別のところから入ってきた外来種の中でも
特に生態系であったり人間社会への悪影響が高いと判断されたもののことです。
つまり、『世界の侵略的外来種ワースト100』とは
何らかの形で生態系や人間社会に悪影響を及ぼすと判断された外来種のこと。
要するに外国から入ってきた悪者ってことです。
ランタナは中南米原産で日本にやってきたのですが、
生態系にとって悪影響があるとIUCN(国際自然保護連合)が認めた植物だってことですね。
日本でも環境省がランタナを『生態系被害防止外来種リスト』に登録しているようです。
ちなみに世界の侵略的外来種ワースト100には
ランタナ以外にジャンボタニシとかイエネコなどが登録されています。
植物だけではないってことですね。
ランタナは日本に存在するだけで
生態系に悪影響があると環境省やIUCN(国際自然保護連合)が
判断している植物。
だからランタナを植えてはいけないということです。
なぜランタナを植えてはいけない?理由(2)アレロパシー物質で他の植物の成長を邪魔するから
ランタナは根っこからアレロパシー物質を出します。
アレロパシー物質とは他の植物に影響を与える物質のことです。
特にランタナが出すアレロパシー物質は近くに存在する他の植物の成長を抑制します。
おかげでランタナ以外の植物が成長できません。
結果、ランタナばかりがどんどん増えていってしまいます。
ランタナだけ増え、他の植物は増えなくなるわけです。
自分だけ増えていこうとする本当にやっかいなやつなんです。
ちなみにアレロパシー物質を出す植物は他にナガミヒナゲシがありますね。
だからナガミヒナゲシも植えてはいけない植物として知られています。
他にもユキヤナギもアレロパシー物質を出す植物として知られています。
ランタナはアレロパシー物質のおかげで
周りの植物の成長を妨げつつ、
自分だけ成長しようとするところが嫌なやつなんですよね。
後で解説しますが、
ランタナはランタナ自身を中途半端に切っても
どんどん増えるプラナリアみたいな増殖力があるので
さらにやっかいなんです。
ランタナを植えてはいけないといわれるのは、 繁殖力がとても強いのが最大の理由。
ツイッターの投稿をみてもランタナの増え方のヤバさが
伝わってきますね。
どうですか?
ランタナに困っている人の声を聞くと
「ランタナってやっぱり植えたらだめな植物だな」
って思ってきますよね。
しかもランタナってアレロパシー物質で他の植物の成長を止めつつ
自分はしっかり『太い』根っこを四方に張らせます。
なので、ランタナを引っこ抜いたと思っても
根っこが残っていることがあって完全に駆除するのが難しかったりします。
本当にやっかいな植物なんです。
なぜランタナを植えてはいけない?理由(3)毒性
他の植物の成長をアレロパシー物質によって邪魔しながら
太い根っこを生やしつつどんどん増えるというだけでも
ランタナはかなり厄介な植物だと思います。
さらにランタナは毒も持っています。
本当に、本当にやっかいな植物なんです。
道端に生えている植物で毒を持っているものって意外と多いです。
たとえば秋に1週間程度咲く彼岸花には毒があります。
あと意外かもしれませんけど梅雨時に花を咲かせるアジサイにも毒があります。
女の子が化粧ごっこなんかでお世話になるオシロイバナにも毒があります。
上記の植物にはそれぞれ毒がありますが、
命に関わるくらい恐ろしいものから
嘔吐や下痢程度でおさまるものまで様々です。
ではランタナに含まれる毒はどうでしょう?
まずランタナに含まれる毒の名前は『ランタニン』です。
ランタナとランタニンってかなり文字が似ていますよね。
ランタナに対してランタニンという毒ですから、
おそらくランタナ特有の毒なのでしょう。
ではランタニンという毒はどこにランタナのどこに含まれるのでしょう?
・実の部分
・種
・葉っぱ
だそうですが、ほぼすべての部分にランタニンが含まれていると思って
接したほうが安全だと思います。
ではもしランタニンという毒を私たちが
飲み込んでしまったらどんな中毒症状が出るのでしょう?
・気持ち悪くなって嘔吐してしまう
・お腹が痛くなってきて下痢してしまう
・大量に口に入ると命に関わることもある
などの症状が出ることがあるようです。
私は獣医師なので動物に関連するランタナの有害性について調べてみましたが
海外では家畜が亡くなってしまったというケースがありました。
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なので犬や猫を飼っている飼い主さんは
ランタナを自宅で育てない方が無難だと思います。
ちなみにランタナの毒の被害は食べたいと起こらないようです。
触っただけで毒の被害を受けることはないようなので
その辺は心配しないでください。
この辺は彼岸花の毒と似ていますね。
なぜランタナを植えてはいけない?理由(4)水やりをほぼしなくても増えてしまう
上記画像をご覧ください。
道端に生えていたランタナです。
何がいいたいか?というとランタナは雑草レベルだってことです。
雑草って誰かから水をもらったり肥料をもらったりして生きているわけではありませんよねd。
ということはお家で育てているランタナだって水やりしなくても増えるってことです。
ただ鉢植えの場合は、鉢の中という非常に狭い空間の中に土が存在するだけで
まったく水やりしないなら、水の要素がゼロすぎます。
なので鉢植えの場合はさすがに、たまには水やりをしないと枯れてしまうでしょうけど。
でも、庭植えであれば水やりしなくても
1カ月に1回も雨が降らないとかそういうことでもない限り
枯れることなくどんどん増えていくでしょう。
そしてアレロパシー物質で他の植物の発育を妨げるし
太い根っこを伸ばしてしっかり根付くので
ランタナが増えすぎて悔やんでも後戻りはできません。
そういった意味でランタナは植えてはいけない植物だと思います。
なぜランタナを植えてはいけない?理由(5)冬越しすることでさらに成長し勢力を拡大してしまう
まず原則ですが、ランタナは寒さには弱いです。
だから北海道とか東北といった寒い地方では冬越しできない可能性が高いです。
なので、北海道とか東北にお住いの方であれば
庭にランタナを植えるのであれば、増えすぎて困るってことはないかもしれません。
冬になったらランタナが全部枯れてしまうからです。
でも、関東よりも南側だと冬越しできることが多いです。
もし冬越ししてしまうと去年の成長に今年の成長分が加算されます。
極端かもしれませんが2021年に1mの高さになったランタナが冬越ししたら、
1mの高さから2022年はスタートです。
ここからさらに1m成長したら2mの高さになりますよね。
高さ2mくらいにまでランタナが成長してしまうかもしれません。
こうなったら低木レベルですね。
庭で育てていたら2mの高さのランタナはかなり邪魔な存在になるでしょう。
なのでもし関東よりも南の地域に住んでいる方であれば
ランタナは冬越しできる可能性が高いため、
植えるとするなら、2mくらいの高さの低木になるかもしれません。
そうなったら他の植物を植えれないくらいランタナが邪魔な存在になるかもしれません。
「そんなの嫌だ!」という方、
最初からランタナを植えないほうがよいでしょう。
なぜランタナを植えてはいけない?理由(6)プラナリアみたいな増え方をするから
ランタナってプラナリアみたいな増え方ができるんですよ。
プラナリアって切っても分裂して増える生物の一種です。
ランタナを切って処分したつもりでも
そこからまた増殖していつの間にか増えていたとSNSで情報発信している人もみかけます。
なので、ランタナってプラナリアに似ているなって思います。
言い方の問題かもしれませんが、
ランタナは切っても、そこに置いておくと
増える可能性があります。
だから市の条例などに従って適切に切ったランタナはゴミとして捨てる必要があります。
でも、あとで解説しますが、ランタナにはトゲがあって指に刺さることもあるので
捨てるときは手袋をはめるなどして怪我しないように十分気をつけてください。
ランタナは本当に厄介な植物なんです。
さらにランタナは花が咲いた後、実ができ種ができます。
(上記画像参照)
実からできた種はやがて地面に落ちます。
そしてまたランタナの株が増えます。
ランタナを切っても増える、種からも増えると
どんどんどんどんランタナが増えていくわけです。
しかも上記画像のようにいっぱい実ができるので
繁殖力は半端ないです。
避妊去勢手術しない雄雌の猫やうさぎを飼うような感じです。
オスメスのうさぎを飼育するだけで
数年後には何百匹にまで増え、多頭飼育崩壊を招くこともあります。
これと同じような現象がランタナにも起こるってことです。
もちろんランタナはウンチもオシッコもしないですし、
餌も食べません。
ただランタナの場合、場所が必要なこと、他の植物の成長を阻害すること、
毒があること、トゲがあることというデメリットくらい(これでも十分か!)ですけどね。
ちなみにランタナ1株から1万個以上の種ができるそうです。
単純に地面に落ちて増えることもありますが、
他にも鳥が種を食べ、
別の場所にランタナの種が入った糞をしたら
そこでまたランタナが増えていきます。
さっきランタナにはランタニンという毒があって人間やペットに有害だっていいました。
鳥がランタナの種を食べても大丈夫なのでしょうか?
結論として、鳥がランタナの種を食べても大丈夫なのだそうです。
なぜなら哺乳類はもしランタナを食べるとしたら噛んで飲み込むので
種の中に含まれるランタニンを思いっきり吸収してしまいます。
でも鳥はランタナの種を噛まずに丸飲みしますが消化せず
糞として出るので、ランタニンという毒の影響を受けないのだそうです。
本当、ランタナは自分の子孫を増やすことに長けた植物ですね。
そう考えたらランタナを植えるかどうかは
あなただけの問題でもないかもしれませんね。
鳥が飛んでいけるエリア内の人にも迷惑がかかる可能性があるからです。
そう考えると軽い気持ちでランタナを植えようなんて思えませんよね。
なぜランタナを植えてはいけない?理由(7)トゲに刺さりケガするリスク
上記画像をご覧ください。
ランタナの茎に存在するトゲです。
ランタナには細いトゲがたくさんあります。
なので、茎を持ってランタナを引きちぎろうとしたときに
トゲが刺さってしまい、出血するかもしれません。
ランタナのトゲは茎だけではありません。
葉っぱにも存在します。
なので、ランタナのどこを触ってもトゲが刺さって痛い思いをするかもしれません。
トゲがあるからそう簡単に駆除できない。
どれだけ生き残ろうとしてるんだよ!って感じですよね。
なぜランタナを植えてはいけないか?まとめ
ランタナは中南米原産で日本にやってきたのですが、
生態系にとって悪影響があるとIUCN(国際自然保護連合)が認めた植物。
一度植えたらどんどん増え、他の植物の成長を抑制し
種は鳥に食べられ、別の場所に種から芽が出て範囲を拡大します。
毒があるので容易に触れないどころかトゲに刺さって痛い思いをするかもしれない・・・
冬を越したら2mくらいの高さになり低木化するかもしれない・・・
ここまでの話を聞いて
あなたはランタナを植えたいと思いますか?
それでもカワイイ花を咲かせるからランタナを育ててみたいと思ったなら
植えてもよいと思います。
ここまでの解説を読んでリスクを十分に理解
リスクよりもメリットの方が多いと納得したのでしょうから。
であれば、そこらの道端に生えてないような
珍しいランタナを育ててみては?