私は犬猫の獣医師として20年以上診療に携わって来ました。
⇒当ブログ管理人のプロフィール
その間、多くの犬猫が植物の中毒によって
命を落とす姿を見てきました。
基本的にそこらに生えている植物を
犬や猫に食べさせない方が安全だと思っています。
中にはものすごい毒性の強い植物があるからです。
例えば夾竹桃の毒性は人間も犬猫も危険レベルです。
⇒キョウチクトウの毒性は?燃やすとどうなる?
ではアカメガシワの毒性はどうなのでしょうか?
以下、詳しく解説します。
アカメガシワの毒性
どうしてアカメガシワの毒性の話をするのか?
と言いますと、まずアカメガシワはトウダイグサ科の植物です。
そしてトウダイグサ科の植物は毒性の強い者ばかりです。
トウダイグサ科に属していて毒性の強い植物として
トウダイグサやスナバコノキなど、本当たくさんあります。
アカメガシワもトウダイグサ科の植物です。
だから「アカメガシワも毒性が強いんだろうな」
と勘の良い読者さんならそう思うであろうと思って記事にしています。
では
アカメガシワの毒性はどうなのでしょう?
以下田畑光正先生著
『アカメガシワ葉の抗酸化活性及び活性成分の解析とヒト効果試験』より引用
引用元URL:https://www.shimane-iit.jp/files/original/20221108150946427b96f39cd.pdf
急性経口毒性試験は, 2,000mg/kg用量のアカメガシワ
葉凍結乾燥粉末を雌ラットに単回投与した結果, 観察期間中の異常及び死亡は認められず,
LD50は2,000mg/kg以上と考えられた. 単純に体重50㎏のヒトであれば100gに相当し,
急性毒性の危険はないと考えられた.
また, 5菌株を用いた細菌における復帰突然変異試験では, 全ての株で
コロニー数が陰性対照の2倍未満であったことから, 変異
原性は陰性と確認できた.試験を行った安全性試験で毒性が確認できなかったことに加え, 過去にある程度の食経験
があることから, ヒト効果試験に対する安全性は問題ない
と判断した.
上記引用元から、アカメガシワの毒性はほとんどないことがわかります。
毒性がないなんてトウダイグサ科の植物としては非常に珍しいですね。
むしろアカメガシワはハーブとして
健康のためにお茶にして飲む方もいるくらいの植物です。
また、島根県の出雲では奈良時代の文献に
アカメガシワをハーブとして利用されていたという記載もあるようです。
それくらい古来からトウダイグサ科ではあるものの
健康に良い植物としてアカメガシワは利用されてきたという歴史があるわけです。
現在でもアカメガシワを煎じて飲むと
胃腸の調子を整えてくれるという方もいます。
ハーブとしてだけでなくアカメガシワを天ぷらにして食べる方もいます。
毒性がないが故の話ですね。
もし毒性があったら天ぷらにして食べることなんてできませんからね。
また、アカメガシワの葉っぱの硬さが食べ応えがあっていいって方もいますが、
その一方で筋が硬くて食べにくいという方もいます。
みんなそれぞれ感じ方は違うってことですね。
最後にまとめますとアカメガシワに毒性はほぼないと言っていいでしょう。
ハーブにしたり天ぷらにしたりとを口にしている人はたくさんいることが
毒性がないことの証明になるかと思います。
以上で解説を終わります。