「キレイな花にはトゲがある」と言ったりしますが
毒があったりもします。
たとえば、ワルナスビ。
すごくキレイというわけではないかもしれませんが毒があります。
⇒ワルナスビの毒成分と有害性とは?
サフランモドキは個人的にはすごくキレイな花だと思いますが、毒があります。
⇒サフランモドキの花言葉と由来を他の植物の花言葉と比較しながら解説
⇒サフランモドキの毒成分・中毒量と症状
ユリなんて、エキスレベルでも猫の口に入ると
ある恐ろしい病気になってしまい、命を落としてしまいます。
⇒ユリの花を猫が食べる危険性を獣医師が解説
スイセンは葉っぱがニラと似ているので
間違って人間が食べてしまうことがあるのですが、
嘔吐や下痢などの食中毒を起こすことがあります。
⇒スイセンの花に含まれる毒
今回解説するアネモネなんてすごくきれいな花だと個人的には感じますが、
毒があります。
なので、「アネモネってすごくきれいな花だな。庭に植えてみようかな」
と思って、べたべたアネモネを触らない方がよいでしょう。
今回の記事ではアネモネにはどんな毒があるのか?
人間の口に入ると命の危険性が生じたりしないのか?
解説したいと思います。
アネモネの花にはどんな毒があるの?
アネモネはすごくきれいな花なので、
思わず触ったりしながら眺めてしまうかもしれません。
でも、アネモネには花だけでなく植物全体に毒があります。
どんな毒か?というと、『プロトアネモニン』という毒です。
プロトアネモニンを手で触ると刺激を感じます。
つまり、プロトアネモニンは皮膚とか口の中の粘膜に刺激を与えます。
また、心臓毒でもあります。
危険な毒ですね。
またプロトアネモニンが皮膚に当たると
刺激を与えるだけでなく水ぶくれ(水疱)ができることもあります。
こういう成分を発泡剤と言います。
発泡剤とは皮膚などに当たると水ぶくれができるような成分のことです。
このプロトアネモニンという毒がアネモネには含まれていますから
もし間違って食べてしまうと、胃や腸が荒れてしまって胃腸炎を起こすことがあります。
これは人間に限った話ではありません。
私は犬や猫の獣医師ですが、ペットがアネモネを食べることによる
中毒もありますので、ご注意ください。
アネモネの葉や茎にはどんな毒があるの?
先ほども言ったようにアネモネには花だけでなくアネモネ全体に
プロトアネモニンという毒があります。
当然、アネモネの葉っぱや茎の部分にもプロトアネモニンという毒があります。
ですので、アネモネの葉っぱや茎にも注意が必要です。
たとえば、アネモネの葉っぱをちぎったり、
茎を引きちぎったりしたときに液体が出てくることがありますが、
この液体の中にはプロトアネモニンが含まれています。
先ほども言いましたように、
プロトアネモニンが皮膚に触れると水ぶくれができたりすることがありますし、
ヤケドすることもあります。
ちなみに古代エジプトでは『病気の印』といわれていたそうです。
花に含まれている毒を吸い込むことで病気になるとされていました。
実際、現代になりアネモネに毒があることはわかっているので
古代エジプトで言われていた『病気の印』という用語は間違いではなかったということになりますね。
少なくとも花、葉、茎に毒があることは間違いないので
自宅にアネモネを育てる場合には注意するようにお願いします。
たとえば、アネモネを植えるとか
枯れてきたから根っこごと引っこ抜くとかいう作業のときには
ビニール手袋を利用して直に触らないなどの工夫をしましょう。
とにかくアネモネに含まれる毒が皮膚や粘膜に触れるとヤケドしたり
水ぶくれができることがあるので、
直接触らないことが重要です。
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