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ウイルスが生物でない理由を獣医師がわかりやすく解説




私は獣医師として日々、ペットのウイルス病などの診断、治療をしています。

よく飼い主さんから「ウイルスって生物なんですか?」
みたいな質問が多いです。

結論として、ウイルスは生物でないという考え方が主流です。
今回の記事ではウイルスが生物でない理由を説明してみたいと思います。

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ウイルスが生物でない理由

いろいろ難しい話はありますが、ウイルスは
地球上に確実に存在していますね。

ウイルスは生物の授業で習うことが多いです。
私は獣医師ですが、獣医学部でもウイルス学の講義がありました。
もちろん、人獣共通感染症といって、人間にも感染するウイルス、
たとえば狂犬病ウイルスなんかも学びました。

別に獣医学部でなくても動物や植物にウイルスは感染することがあるので
園芸関係の学部でもウイルスは勉強するでしょうし、
薬学部や歯学部、医学部でもウイルスの勉強をすることでしょう。

で、大学の先生の中にはウイルスを生物として扱っている方もいます。
ただし、大学に入る前の段階ではウイルスは生物ではないと学ぶと思います。

どうしてでしょう?
生物は細胞の単位から成り立っているからです。
これはこちらの記事で解説していますので興味のある方はご覧ください。
生命とは?簡単に解説

話を元に戻して、生物は細胞の単位から成り立っているということは
細胞という単位で成り立っていないものは生物ではないということになりますね。

ウイルスは細胞膜やミトコンドリアや葉緑体はありません。
つまり、ウイルスは細胞という構造を持っていません。
さらにウイルスは呼吸(代謝)をしません。
植物(生物)が行う呼吸とは?わかりやすく解説
植物の代謝についてわかりやすく解説

以上のことから、ウイルスは生物ではないといえますね。

ではウイルスって何でしょう?
ウイルスというのは構造体です。

ちなみにウイルスを高校生物の授業で学ぶ理由は
ウイルスは動物や植物に寄生する構造体だからです。

あとやっかいなのはウイルスは遺伝子を持っていて、
子供を産むことができます。
だから、遺伝子を持っていて、子供を産むということに関しては『生物的』です。
そんなこともあって大学だとウイルスを生物に入れる先生もいます。

でも、高校レベルの生物の定義だとウイルスは生物に当てはまりません。
微妙なところですが。

以上のことを考えると
ウイルスが生物課生物でないかという議論はあまり意味はないような気がしますね。



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