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アジサイの葉に白い斑点ができる3つの原因とは?




梅雨といえばアジサイの葉っぱに乗っているカタツムリを
想像する方も多いでしょう。

でも、アジサイの葉っぱには毒があるって話もあります。
人間がアジサイの葉っぱを食べたら中毒を起こすって話もあるくらいです。
そんな危険なアジサイの葉っぱにカタツムリが乗っているのって
興味深いですよね。

でも、そのほかの虫がアジサイの葉っぱにつくというケースは
少ないような気がします。

そんなこともあってか、
アジサイの葉っぱって比較的元気に育つ傾向にあります。

でも、まれにですが上記画像のように白い斑点がアジサイの葉っぱにできることがあります。
アジサイの葉っぱに白い斑点ができる原因って何でしょうか?
放っておくと枯れてしまうのでしょうか?

今回の記事ではアジサイの葉っぱに白い斑点ができる原因を3つ
ご紹介したいと思います。

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アジサイの葉に白い斑点ができる原因(1)ハダニ

私は獣医師として日々、犬や猫の診察をしています。
当ブログ管理人のプロフィール

犬猫の医療ではダニの中でもマダニが危険です。
犬や猫に吸血し、ひどいかゆみを与えます。

全身が血だらけになりますし、
バベシアという感染症の原因になったりもします。

これに対してアジサイなどの植物の敵はマダニではなくハダニです。
マダニみたいにハダニは植物に寄生して害を与える悪者です。

どうやってアジサイにハダニが寄ってくるのでしょう?
風に乗ってピューっとハダニはアジサイまでやってきます。

アジサイにやってきたハダニは
葉っぱの裏で生活します。
植物の汁をチューチュー吸って生きています。

葉っぱの表だったら他の昆虫や人間に見つかりやすいからかもしれませんね。
しかも、ハダニの大きさは0.5㎜とめっちゃくちゃ小さいです。
葉っぱの裏にくっついているハダニを発見するのは至難の業です。

ハダニは水に弱いので雨の多い梅雨の時期は
大量発生しません。
梅雨明けの7月から10月くらいにかけて発生することが多いです。

もし梅雨明けから秋にかけてアジサイなどの植物の葉っぱが白くなってきたら
葉っぱの裏を確認してみてください。
細かいダニがたくさんいるようならハダニによる被害の可能性が高いです。

葉っぱが白くなる原因はハダニが汁を吸うことで
葉緑素が奪われてしまいます。
葉緑素は緑色のクロロフィルという色素です。

ハダニが葉緑素を吸う結果、葉っぱの緑色が落ちてしまい、
白っぽくなってくるわけです。

なので、ハダニによる被害で葉っぱが白くなっているのなら
0.5㎜しかないハダニが吸った箇所『だけ』が白くなるので
ぽつぽつとした白い斑点ができているはずです。

ハダニによる被害が疑われるケースとしては

・梅雨明けから秋の間に白い斑点ができた
・葉っぱの裏に細かい虫がいる
・0.5㎜のハダニだから白い斑点1つ1つの大きさは小さい

もしハダニの被害が疑われるなら
できるだけ早く駆除することを考えましょう。

なぜならハダニって1匹のメスが1回に100個くらいの卵を産みます。
そして10日くらいで成虫になってしまうのです。
つまり、ものすごい勢いでハダニは増えていきます。

となると被害がものすごい勢いで拡大してしまうわけですね。
しかも卵の状態なら冬を越すことも可能です。

冬になれば寒さでハダニが全滅するだろうと思ったら大間違いです。
そういった意味で、ハダニの被害を疑ったら
できるだけ早く駆除することを考えましょう。

ハダニ対策

ハダニを撲滅することは難しいと思います。
犬や猫にくっつくマダニだって根絶することが難しいです、
だからマダニが犬や猫にくっついた時に被害を最小限に抑えるようなお薬を
動物病院で処方しているのです。

これと同じで植物につくハダニも撲滅することは難しいです。
だから、マダニと同じように被害を最小限に抑えるような対策が重要になります

ではどうしたらよいでしょうか?
ハダニの弱点を攻撃するという方法があります。
ハダニは水が弱点です。

葉っぱが濡れていれば、
ハダニはそれだけで困ります。

たとえば、アジサイの葉っぱについたハダニをやっつける、
あるいはちょっとでもハダニがアジサイにつかないように
水やりをするのも有効な手段だと思います。

ハダニは水に弱いからかもしれませんが、
葉っぱの裏に寄生するという特徴があります。

だから単純に水やりするだけだと
葉っぱの裏にまで水が届かない可能性があります。
なので、霧吹きなんかをつかって葉っぱの裏めがかて
シュッシュと水を吹きかけるというテクニックも有効
だと思います。

ただし、葉っぱの裏めがけて
ものすごい圧力でシュッシュと霧吹きしたら
葉っぱが傷む可能性があります。

ハダニは単純に水が弱いだけです。
水圧でハダニをやっつけるわけではありません。
なので、霧吹きで葉っぱの裏に水を吹きかけるにしても
軽く吹きかけるようにお願いします。

定期的に霧吹きをかけていれば
ハダニは寄生しにくくなるはず。
だからその場所にハダニが繁殖する可能性はかなり減ると思います。

でも、すでにハダニがかなりの数規制しているようなら
水攻撃だけだと難しいでしょう。

ハダニの被害を水だけで抑えれない場合には農薬を使いましょう。

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アジサイの葉に白い斑点ができる原因(2)うどん粉病

アジサイの葉っぱに白い斑点があるなら
ハダニ以外にもウドンコ病の可能性があります。

うどん粉病はカビの仲間で、
うどんの粉をパラパラアジサイの葉っぱに巻いたかのような見た目になることから
名づけられました。

ちなみにウドンコ病の場合、
アジサイの葉っぱは最初は白い斑点ですが、
時間の経過とともに黒色や黄色に変色し、
どんどん葉っぱが枯れていくことが多いです。

うどん粉病はカビの仲間。
カビは栄養を食べて増殖しています。
うどん粉病の場合は葉っぱの栄養を吸収するために
どんどん葉っぱの栄養状態が悪くなり、枯れていくわけですね。

また、うどんこ病の病原体が葉っぱの表面を覆っているため、
葉っぱに光が当たりません。
となると光合成ができない部分が出てきますね。

結果、葉っぱが枯れてしまうわけです。

つまり

うどんこ病の病原体が

・葉っぱの栄養を吸収する
・葉っぱを覆ってしまい光が当たらなくなる

から葉っぱが枯れてしまうってことですね。

うどんこ病を起こす原因

うどんこ病を起こす原因(1)肥料、土壌の状態

窒素が多すぎる、カリウムが少なすぎる環境だと
うどんこ病が発生しやすくなります。

肥料として窒素を与えることは悪いことではありません。
そもそも、肥料だから植物の成長を促すことは間違いありません。
でも、窒素の『与えすぎ』は
かえってアジサイが弱ってしまうのです。

人間や犬の体もそうですが、弱ると免疫力が落ち病気にかかりやすくなります。
これと同様にアジサイに窒素を与えすぎると
弱ってきて、うどんこ病にかかりやすくなるといわれています。
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ちなみに窒素の与えすぎもうどんこ病の原因になりますが、
カリウムの不足もアジサイが弱り、うどんこ病にかかりやすくなります。

うどんこ病を起こす原因(2)日照不足

太陽の光に含まれる紫外線には殺菌作用があることが知られています。

うどんこ病はカビの仲間。
おおまかな分類でいったら真菌の仲間です。
だからうどんこ病は太陽の光に含まれる紫外線に弱いです。

逆にいうと太陽の光に当たらない場所で
アジサイを育てると、うどんこ病にかかりやすくなります。
だから、太陽の光が当たるような場所でアジサイを育てることをおすすめします。

うどんこ病を起こす原因(3)風通しの悪い場所

風通しが悪い=蒸れやすい環境』ということです。

うどんこ病はカビの仲間です。
カビって湿度が高い環境の方が増殖しやすいです。

お風呂にカビが発生しやすいのと同じ理屈ですね。

風通しが悪い場所の方が蒸し蒸ししていますよね。
だからうどんこ病が発生しやすくなります。

うどんこ病の特徴

うどんこ病はカビの仲間だと言ってきましたが、
カビの中でも糸状菌の一種です。

カビにはざっくりいうと

・カンジダのような酵母様真菌
・アスペルギルスのような糸状菌

があるのです。

で、うどんこ病は糸状菌の一種です。

生きている植物にだけ寄生し増殖します。
逆に枯れた植物には規制増殖しません。

これを絶対寄生菌といいます。

感染経路は空気感染です。

生きている植物に寄生し増殖しますが、
冬は落ち葉などにくっついて越冬するといわれています。

春になり、新芽にうどんこ病の原因菌がくっついて増殖し
被害を拡大させていきます。

アジサイがうどんこ病の被害を受けたらどう対処すればいい?

対処法(1)感染した部分を除去

うどんこ病の被害を受けた葉っぱの枚数が少ない場合には
被害を受けて白い斑点ができている葉っぱだけを除去します。

たくさん被害を受けているなら葉っぱを全部取り除きましょう。
うどんこ病は糸状菌の仲間です。
うどんこ病の粉がどんどん広がり、被害が拡大していくので
葉っぱ全部を除去しないと、おさまりません。

除去はハサミを使うことをおすすめします。
手でやると、あなたの手にうどんこ病の原因菌がつき
他の植物を触った時に、うつしてしまいます。

だからハサミでうどんこ病に感染した葉っぱを除去し
そのあと、葉っぱの除去に使ったハサミを殺菌消毒しましょう。
たとえば、煮沸消毒や約70%エタノール消毒などです。
【第3類医薬品】消毒用エタノールIP (500mL)

除去に使ったハサミにはうどんこ病の病原菌がいっぱいついていますからね。
ハサミから被害を拡大させないためにも
使用後はしっかりと消毒してくださいね。

対処法(2)重曹

重曹にはうどんこ病などのカビの胞子の発生を抑える作用があるといわれています。
天然重曹(5kg*4袋セット)

水1L(リットル)に対して重曹2g(小さじ約2分の1)の割合で溶かして
スプレー容器に入れましょう。
プラスチック容器 PETコンパクトガンスプレー100ml SGC100PET

そしてうどんこ病の感染が疑われるアジサイの葉っぱに吹きかけてください。

対処法(3)石灰

石灰は土壌の改良(中和させるため)に利用されることもあります。
ですが、カビの発生もおさえてくれます。

うどんこ病の被害が少ない段階で消石灰を散布するという対処法もあります。
協和 消石灰 3kg

対処法(4)薬剤

アジサイには毒があるといわれています。
食用にならないから薬剤が使いやすいです。

おすすめの薬剤はダコニール1000です。
ダコニール1000 500ml

ダニコール1000は原液入っているので
水で薄めてから使ってください。
水で薄める量に関してはダニコール1000の説明書に書いてあります。

「水で薄めるのは面倒くさい!」
という場合には、水で薄めずすぐに使えるベニカXネクストスプレーがおすすめです。
殺虫殺菌剤 住友化学園芸 ベニカXネクストスプレー 1000ml

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アジサイの葉に白い斑点ができる原因(3)水不足

水不足はアジサイが枯れる原因になります。
これは別にアジサイに限った話ではありませんけどね。
人間だって犬だって水がなければ生きていけません。

ところでアジサイが水不足を起こすと葉っぱの縁から枯れてくるのです。


特徴的なのは水部族の場合、葉脈に沿って枯れていくところでしょう。
葉脈とは、アジサイなどの植物の葉っぱに存在する筋のことです

葉脈は人間社会でいったら道路です。
つまり、葉脈は水や栄養の通り道になっているわけです。
水不足になったら、そんな通り道である葉脈に水はやってきません。
だから水不足になると葉脈に沿って枯れていくのでしょう。

特に水不足の初期は白い斑点のようなものができてくることがあります。
うどんこ病などの被害が疑われないし、雨も降ってないといった状況で
アジサイの葉っぱに白い斑点ができてきたなら水不足を疑いましょう。

対策は当然、水やりになります。

今回の記事ではアジサイの葉っぱに白い斑点ができる原因や対処法について解説しました。
参考になっているようなら幸いです。



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