上記花をご覧ください。
キレイなアネモネの花です。
花というと花びら(専門用語で花弁と言います)を想像すると思います。
でも、上記画像をご覧いただくとわかっていただけると思いますが、
花びらだと思われる部分は萼片(萼片の集まりを萼といいます)なのです。
そうです。
萼片と花弁は全く違います。
この記事では萼片(萼)とは何か、
花弁と比較しながらわかりやすく解説していきたいと思います。
萼とは?
まず、上記画像をご覧ください。
アネモネの花はちょっと特殊です。
通常は雌しべや雄しべの外側に花弁(花びら)があります。
花弁は雄しべや雌しべを守る働きがあります。
ちなみに1枚1枚の花弁の集合体を花冠(かかん)といいます。
それから花冠を守るのが萼(1つ1つが萼片)といいます。
さらに花冠と萼をひっくるめて花被(かひ)といいます。
・花全体が花被
・花被は花冠と萼に分かれる
・花冠は雄しべや雌しべを守る役割があって1枚1枚の花弁の集合体
・萼は萼片の集合体で、花冠の外側にあって花冠を守っている
ということは通常の植物は
中央に雄しべ、雌しべがあってその周りに花冠(花弁の集合体)があって
さらに外側に萼(萼片の集合体)があるというイメージです。
ちなみに花被でも萼の部分を外花被といって
花冠の部分を内花被ということもあります。
ではヘビイチゴの花をご覧ください。
先程のアネモネの花はかなりイレギュラーでしたが、
ヘビイチゴの花は萼と花弁の違いがわかりやすいと思います。
上記画像をご覧になっていただけると
萼の位置と花弁の位置が明確になったと思います。
ちなみに雄しべや雌しべについてはこちらの記事をご覧になっていただけると
わかっていただけると思います。
⇒雄しべの先端部分の名前は?役割は?
⇒サフランモドキの花の特徴(画像付き)
続いて萼の役割について説明します。
萼(萼片)の役割
先ほど、軽く触れましたが、萼には花冠(花弁の集まり)を守る役割があります。
ちなみに柿やイチゴ、トマトなどについている萼をあえて『へた』といったりします。
萼は内側にある花や蕾を守る役割があります。
萼の内側に雄しべや雌蕊があるということは、
萼の内側で受粉し実がなるということですね。
で、実ができた場合に
萼片と花弁がくっついて落下して天寿を全うするタイプと
萼片がずっと生き残るタイプと2つのタイプが存在します。
柿は上記画像からも明らかなように
実がなっても萼が残るタイプとなります。
柿の場合、受粉した後、萼がどんどん成長し大きくなります。
ある実験によると、受粉した後に萼を取り除くと
柿が成長しきる前に落ちてしまう確率が高まるというデータがあります。
それくらい柿にとって萼は重要な存在なわけですね。
また、萼には気孔があって空気の交換が活発に行われているそうです。
なので、萼は花や蕾を守るだけでなく
呼吸に関係していたり、柿の実の成長にも重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
以上で解説を終わります。