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ツルニチニチソウの毒性




ツルニチニチソウは『ツル』+『ニチニチソウ』と分解することができます。
ツルは植物のツルのことです。鳥の鶴ではありません。
で、ニチニチソウは日々+草にわけられ、
花が1日しかもたないみたいな意味があります。

ともあれ、ツルニチニチソウって
紫色に近い青色のきれいな花を咲かせますね。

ただ、きれいな花には毒がありそうです。
この記事ではツルニチニチソウの毒性について解説していきたいと思います。

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ツルニチニチソウに毒はあるの?

ツルニチニチソウに毒はあるのでしょうか?
このことを考える前に、ツルニチニチソウの仲間にニチニチソウがあります。

ニチニチソウにはビンカアルカロイド(Vinca alkaloid)というアルカロイドが含まれています。

ビンカアルカロイドは

・ビンブラスチン
・ビンクリスチン
・ビンデシン
・ビノレルビン

という名称の医薬品として利用されています。
具体的には癌化学療法剤や免疫抑制剤として利用されています。

ニチニチソウに存在するビンカアルカロイドは
ラットの白血球の1つ、顆粒球を減らす作用があるそうです。
白血球は私たち人間やラットなどの動物に存在する細胞の1つで
骨髄で作られていてばい菌やウイルスをやっつける役割を担っています。
つまり顆粒球などの白血球は免疫にかかわっているわけです。

で、ビンカアルカロイドにより顆粒球の数が減るということは
免疫力が落ちるといえます。

ということは免疫抑制剤に利用できるのではないか?
となったわけです。

たとえば自己免疫疾患といって自分の細胞が自分の体を壊す病気があります。
たとえば関節リウマチや全身性エリテマトーデスという病気は自己免疫疾患です。

こういった自己免疫疾患の治療で
免疫抑制剤が使用される可能性があります。
可能性と書いたのは、使うかどうか判断するのは医師だからです。
理屈上利用可能という意味ですのでご了承ください。

ともあれ、ビンカアルカロイドには免疫抑制作用があるとわかったのですが、
その後の研究で抗がん剤としても利用できるとわかり
実際にビンカアルカロイドから抗がん剤のビンクリスチンやビンブラスチンなどが作られています。

抗がん剤や免疫抑制剤は健康な人が利用するのは毒にしかなりません。
そりゃそうですよね。
よくテレビでやってますが、抗がん剤を使うと毛が抜けたり嘔吐したりする可能性がありますし、
免疫抑制剤を利用すると、免疫力が落ち風邪をひきやすくなったりするわけですから。

ただ、今回のテーマであるツルニチニチソウにはビンカアルカロイドは含んでいません。
「そうなんかい!」と突っ込まれそうですが。

ただ、ツルニチニチソウにはビンカアルカロイドとは『違うアルカロイド』が含まれています。

そもそもビンカアルカロイドみたいにお薬になるアルカロイドもありますが、
一般的にアルカロイドは体にとって有害、つまり毒になることが多いです。

なのでツルニチニチソウはアルカロイドを含んでいて
毒になる可能性もあるので、
冗談であっても食べないようにお願いします。

ただ、ツルニチニチソウを刈り取ったりするときに
軽く手に触れたりする程度だったら通常問題ありません。

でも、手が荒れやすいタイプの人は、
できればツルニチニチソウに触れた後は石鹸などで
ゴシゴシ洗っておいた方が無難だと思います。

ちなみにアルカロイドとは窒素原子を含んでいて
酸塩基でいったら、たいてい塩基性である天然由来の有機化合物のことをいいます。

ツルニチニチソウはきれいな花を咲かせるものの
植えてはいけない植物だと言われています。
ツルニチニチソウを植えてはいけない理由

しかもアルカロイドを含んでいて人体にとって有害になり得るので
ツルニチニチソウを植えるのを躊躇する方も多いでしょう。
でもきれいな花を咲かせてくれるのは間違いありません。

いうなればツルニチニチソウは取扱注意な美女ってところでしょう。

最後にまとめますとツルニチニチソウはニチニチソウ(日日草)みたいな
ビンカアルカロイドは含んでいませんが、他のアルカロイドを含んでいます。
アルカロイドは人体に有害に働くこともあるので
ツルニチニチソウに毒性があるかどうか?と聞かれたら、「毒性はある」と答えます。

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