「椿の花って縁起が悪いよね」って聞いたことがあると思います。
でも椿の花は縁起が良いという方もいます。
この記事では椿の花は縁起が悪いのか縁起がよいのか
調べてみました。
椿の花が縁起悪いといわれる理由
江戸時代椿は武士の間で縁起が悪い植物だといわれていました。
花が咲いた後、枯れる前に花ごと落ちる姿が
首が落ちる姿と似ているから縁起が悪いといわれていたようです。
ただそういった話が全国的に広まったのは幕末くらいです。
これから解説しますが歴史はそんなにあるわけではありません。
でも、ある領主は椿の枝を地面に挿して
戦に勝てるように祈ったという伝承もあります。
ツバキの花が縁起が悪いなら
戦に勝つために利用しないですよね。
また熊本では武士が肥後ツバキを作ったという話があります。
今でも肥後椿の模様の入ったマンホールが存在します。
そんなことからも椿の花が縁起が悪いとはいえないのではないでしょうか。
椿の花が縁起が悪いという考え方というのは
江戸時代の武士が椿の花全体が落ちる姿を見て
クビが落ちるのと似ているというところからきているだけです。
ですが、椿でなくてもどんな花でもいつかは散るものです。
たとえばツバキとよく似た山茶花だって
花ごとではありませんが、花びら単位で落ちます。
⇒山茶花を植えると縁起悪いといわれる理由とは?
そういった点からも
椿の花が縁起が悪いとは言えないと思います。
続いて椿の花が縁起が良いという考え方について解説します。
椿の花が縁起よいといわれる理由
椿は縄文時代から存在していたようです。
縄文人も椿を利用していました。
椿は絶滅することなく大昔から存在しているくらい生命力の強い植物だということです。
それだけでも縁起が悪い植物だととはいえないと思います。
また椿は常緑といって冬になっても葉っぱが枯れず緑色のままです。
ずっと元気な植物のように見えますね。
また、早春から花が咲きます。
私たちの祖先は椿のことを強い生命力の強い植物だと感じていたのでしょう。
また
こ
・永遠の美
・厄除け
の意味があるそうです。
他にも椿が縁起が良いという理由が続きます。
110歳の長寿を祝う言葉に『椿寿(ちんじゅ)』があります。
椿という言葉が入っていますね。
それから椿の油は昔から美髪にはかかせないものでした。
今でも椿の油は販売されています。
⇒長崎産 椿油(900ml)ビン【冨永製油】
なので、椿の花が縁起が悪いなんて私はまったく思いません。
他にも正倉院は椿杖があります。
宮中で正月はじめの卯の日に行われる卯杖 (うづえ)卯槌(うづち)の儀式において
邪気祓いの為に椿杖を地面を突きます。
これだって椿が縁起の良い植物だといえる証拠になり得るでしょう。
空海が携えていた錫杖も椿でした。
縁起の悪いものをわざわざ持ち歩きませんよね。
豊臣秀吉だって椿をプレゼントしたことがああります。
椿が縁起の悪い植物だとどう考えても思えませんね。
それから松竹梅という言葉がありますが、
梅が中国から日本にやってくる前は『松竹椿』だったようです。
それくらい椿は縁起のいい花だということです。
まとめますと、江戸時代の下級武士からしてみると
椿は花ごと落ちる様子が首が落ちるように見えたから縁起の悪い植物だったようです。
でも貴族や茶人などの偉い立場の人からしてみたら
椿は縁起のよい花だったようです。
私もツバキは縁起のいい花だと思っています。