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花芽形成と日長の関係についてわかりやすく解説




今回の記事では花芽形成と日長の関係についてわかりやすく解説します。

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花芽形成の読み方

まず花芽形成は『かがけいせい』と読みます。
『はなめけいせい』ではありません。
ご注意ください。

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花芽形成と日長の関係

で、花芽(かが)って何か?というと
普通、植物には芽がありますよね。
その植物の芽というのは放っておいたら、それは葉っぱとか枝になります。

花芽とは花を咲かせるための芽のことです。
普通の芽は葉っぱのための芽です。
花のための芽をいつ作るか?はその植物が住んでいる場所によって決まります。

それはどう決まっているか?というと
その地区で昆虫が一番元気な時期で決まります
もちろん昆虫だけではありませんが。
子孫がちゃんとできやすい温度というのもありますからね。

もし、春は芽が葉っぱ、枝になり
夏も芽が葉っぱになり、枝になる、秋も芽が葉っぱになり枝になり、
冬は枯れてしまうみたいなサイクルだと子孫がいなくなってしまいますね。
花と種ができませんからね。

ですから、植物には一般的に芽を葉っぱや枝にする時期と
花を咲かせて昆虫を呼んで子孫を残す時期があります。
もし花を咲かせて昆虫を呼んで子孫を残そうとするなら
暖かい時期になるでしょう。

暖かい時期でないと昆虫はいませんからね。

ただ植物は温度計を持っていませんよね!?
あなたならどうしますか?温度計がないし、
もちろん植物はカレンダーの存在も知りませんから
現在が何月かなんて知りません。

しかも、最悪なことにあなたは外の気温がわからないカプセルの中に
入っているとしましょう。
カプセルの中はずっと25℃に調節されていて心地よいため
今が8月なのか、1月なのか、まったくわかりません。

どうやって暑い昆虫がいる時期だと把握します?
ただ、外の景色だけは見えるとしましょう。

もし今この記事を読んでいるのが12月24日のクリスマスあたりだとしましょうか。
このころって一番日が短いですね。
だいたい日本だと16時30分くらいで外は暗くなってきますね。

逆に6月だと19時すぎても明るいですよね。
だいたい野球中継だって試合開始直後は照明なしでやっていたりします。
逆に12月は16時30分くらいで暗いです。

つまり、気温はわからなくても暗くなるのが早くなったら12月で
日が長くなったら6月だとなんとなくわかります。
植物は温度計は持ってませんが、昆虫を呼んで受粉させて
子孫を残していきたいわけです。

そこで植物は日の長さ(日長)に頼ります

どうして植物は温度に頼らず日の長さに頼るのでしょう?
一応、植物は外で暮らしているわけですから暑い寒いくらいはわかりそうなものでしょう。

でも、温度ってフェイントがかかります。
たとえば、11月の初めころって暖かい日もあれば寒い日もあったりしません?
たまに半袖で外出した方がちょうどよい日があったりします。

逆に6月って梅雨ですから、基本的に暑い時期ですけど
大雨が降って長そでを着て外出しないと寒い日もあります。

つまり、気温だけで判断しようとすると騙されることがあるわけです

別の言い方をすると気温の変化ってすごく幅があるわけです。

これに対して1年間の毎日の日の長さはって絶対に大きなズレはありませんよね。
少しずつ夏至に向かって日が長くなり、
夏至を超えると、少しずつ冬至に向かって日が短くなっていきますね
必ず一定です。

温度だと冬に向かっているのに暑い日もありますし
逆に夏に向かっているのに寒い日もあります。

植物として昆虫を呼びたいわけです。
この辺はアケビの記事で説明していますので気になる方はご覧ください。
アケビの花を受粉させる方法と注意点

昆虫がちゃんと飛んできてくれて受粉してくれるような季節に花を咲かせたいわけです。
でも気温を頼りにすると間違った時期(昆虫がいない時期)に花を咲かせるリスクがあります。
花を咲かせるというのは植物にとってかなりのエネルギーを消費します。
だから肥料不足とか水不足であるだけでも
花を咲かせる時期であっても花が咲かないことだってあるわけです。

そんなこともあって植物は日の長さ(日長)を頼りに花を咲かせる時期を決めています
つまり昆虫が元気な時期の日長を植物が把握し、花芽形成するかどうか判断しているということです。
恐るべし植物ですね。

このことを植物の光周性(こうしゅうせい)といいます。
次の記事では光周性について解説します。
光周性とは?わかりやすく解説



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