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植物(生物)が行う呼吸とは?わかりやすく解説




植物(生物だから)だって代謝をしています。
植物の代謝についてわかりやすく解説

そして

代謝には

・同化
・異化

があります。

そのうち、異化の1つである呼吸について
わかりやすく解説していきたいと思います。

私は獣医師として日々ペットの診察をしていますが、
呼吸の定義を知らないと獣医師国家試験であったり、
大学受験であったりで困ることになります。

たとえば、今回解説する生物学における呼吸の定義を知っておかないと
発酵や化学合成を勉強しても理解不能になってしまいます。

「化学合成と呼吸の違いって何だったっけ?」みたいなのは
呼吸の定義を忘れているから、そうなってしまうのです。

ちなみに化学合成とは化学合成細菌が『無機物』を『酸化』して
でてくるエネルギーを利用して二酸化炭素などから炭水化物を作ることです。
化学合成の場合は出発が無機物の酸化です。

あとで解説しますが呼吸の場合は有機物の酸化、分解です。

こんな感じで有機物を酸化分解するか、無機物を酸化分解するかで
呼吸なのか化学合成の話なのか、大きく変わってきてしまうのです。

だから呼吸とは何か?発酵とは何か?
光合成とは何か、窒素同化とは何か、みたいな話がありますが、
これらはみんな代謝です。

難しいことを言ってしまったかもしれませんが、
呼吸の定義は重要ですので、以下、わかりやすく解説していきます。

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生物学における呼吸とは?(定義)

植物を当然含む、生物学における呼吸の定義はどんな感じになるのでしょう?

呼吸とは細胞の中で有機物を分解して生命が活動するために必要なエネルギーを
作るための働きのこと
です。

ちなみに呼吸の定義の中で登場したエネルギーとはATPのことです。

生物学を抜きにしたら、呼吸とは
「スーハ―スーハ―」と息を吸ったり吐いたりすることを指すのかもしれませんね。
もう少しわかりやすくいうと、空気を吸って、そのうち酸素を体内に取り込んで
体の中から出てくる二酸化炭素を吐き出す、つまりガス(空気)を交換することが一般的な呼吸の定義になるでしょう。

ちなみに一般的な呼吸(息を吸って吐くこと)は英語だとブレス(breath)といいます。

でも、生物学における呼吸とは、
一般的な呼吸の定義をさらに発展させて、
取り込んだ酸素を何のためにどのように使うか?という話
です。

そんなこともあって生物学における呼吸は英語でブレスといわず、
レスピレーション(respiration)といって、使い分けています。

呼吸を英語でいうと

・普通の呼吸はブレス(breath)
・生物学における呼吸はレスピレーション(respiration)

となります。

もう少し詳しく、噛み砕いて生物学における呼吸とは何か?説明させていただきますと、
生物学における呼吸とは細胞が生きていくのに必要なエネルギー源(ATP)を、
細胞が取り込んだ有機物を壊して、その中から取り出すことです。

ちなみに有機物というのは炭素を含む化合物の中でも
炭素と酸素でできていて、
しかも一酸化炭素と二酸化炭素を除いたもののことです。

だから呼吸とは細胞が生命活動に必要なエネルギー源(ATP)をゲットするために
有機物を分解して取り出したり作り出すことです。

最後に当サイトは植物を専門に解説するところです。
今回の呼吸とは何か?という記事で何が言いたかったのか?というと、
『植物も呼吸するということ』です。

というと、「植物のどこに肺があるの?」
と聞かれるかもしれません。

でもそういう話ではありません。
今回の記事で書いてますが、生物学における呼吸というのは
息を吸って吐くということではありません。

生物学における呼吸とは、細胞の中で有機物を酸化分解して
エネルギーを取り出すことです。
こういう呼吸なら植物だってやっているのです。

この呼吸によっていっぺんに酸素をぶつけて燃焼させると
ATPにならないで光と熱になってしまうので、それはまずいので
徐々にやっていこうと植物はやっているのです。

この徐々にというのが解糖系、クエン酸回路、電子伝達系という3つの反応からできていて、うまいことエネルギーができ、植物がすくすく育ち花ができ、
種ができ、子孫が残っていくわけですね。

それでは解説を終わります。



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