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原核細胞と真核細胞の違いをわかりやすく解説




前回の記事では共生説についてかなり詳しく解説しました。
共生説とは?成立する根拠とともにわかりやすく解説

今回の記事では原核細胞と真核細胞の違いについて
わかりやすく解説していきたいと思います。

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原核細胞と真核細胞の違い

原核細胞でできている生物を原核生物といいますが、

原核生物の具体例

・細菌
・ラン藻

です。

ラン藻とか細菌については前回の共生説を理解していたほうが
想像しやすいと思います。
共生説とは?成立する根拠とともにわかりやすく解説

原核細胞の中身って真核細胞と比べたらほとんどありません。
片手で済む程度です。

だから原核細胞と真核細胞の違いを理解するなら
原核細胞の中身を理解したほうが早いでしょう。

まず原核細胞には細胞膜があります。
細胞膜=袋です。

原核細胞は原核生物のことですから増えるわけです。
子供ができるということです。

人間でも親子は似てますよね。
親の特徴が遺伝子として子供に伝わるわけです。
これと同じで原核細胞も遺伝子を次の代に伝えます。
遺伝子=DNAと考えてください。

なので原核細胞にはDNAがあります。

DNAは遺伝子の本体にあたります。
で、遺伝情報が出てこないと特徴として現れません。
ややこしい話になりますが、DNAが転写によりRNAを作り
RNAから翻訳でたんぱく質を作るという過程により特徴が現れます。

つまり、たんぱく質を作る必要があるわけです。
タンパク質を作る=合成といいます。

タンパク質を合成する場所はリボソームです。
なので、原核細胞にもリボソームがあります。

こんな感じで原核細胞には細胞膜、DNA、リボソームが入っています。
そして、原核細胞内の隙間を細胞質基質といいます。

こんな感じで原核細胞はすごくシンプルです。
ただ、令和3年現在も細菌として存在する原核生物ですから、
敵から身を守る何かがあるはずです。

どうやって原核細胞は自分の身を守っているのでしょう?
身を守る道具は細胞壁です。
人間の世界で言ったら原核細胞の細胞壁は防具(防弾チョッキなど)みたいなものです。

植物(真核細胞)の細胞壁はセルロースでできていますが、
原核細胞の細胞壁はセルロースでできていません
これは明らかな真核細胞と原核細胞の違いの1つとなり得るでしょう。

原核細胞の代表選手は細菌ですね。
細菌(原核細胞)の細胞壁はセルロースではなくペプチドグリカンでできています。

原核細胞と真核細胞の細胞壁は

・原核細胞の細胞壁はペプチドグリカン
・真核細胞の細胞壁はセルロース

でできています。


(注:当ブログ管理人は現役の獣医師で開業医のためペニシリン系の抗生物質や細胞は専門です)

ところでペニシリンという抗生物質があります。
細菌をやっつけるお薬です。

あなたが転んでけがをしたときに飲んだり塗ったりする抗生物質です。
ペニシリンは細胞壁の合成を邪魔する作用があります。

つまり、ペニシリンは原核細胞の一種、細菌の防具である細胞壁を作れなくしてしまうわけです。
結果、細菌は自分の身を守れないため、死滅してしまいます。

でも、人間や動物の細胞には細胞壁がありません。
だから動物がペニシリンを飲んでも問題ありません。
(私は獣医師なのでここでは動物に限定しています)。

ここまでまとめますと、

原核細胞に存在するもの

・細胞膜
・DNA
・リボソーム
・細胞質基質
・細胞壁(成分はペプチドグリカン)

で、逆に原核生物には真核生物に存在するミトコンドリアとか葉緑体、
ゴルジ体などはありません。ここが真核生物と原核生物の違い。

でした。

真核生物は原核生物から進化したわけなので、
当たり前ですが、原核生物が持っているようなものは真核生物は持っています。
理由は共生説の記事を読んでいただけるとわかっていただけるはずです。
共生説とは?成立する根拠とともにわかりやすく解説

次に真核生物をみていきましょう。

真核細胞(真核生物)の具体例

・菌類(キノコやカビ)
・動物
・植物

です。

こちらはキノコ(菌類)です。

菌類というのは植物細胞から葉緑体を抜いたものだという認識で大丈夫です。
つまり、菌類は葉緑体のない植物細胞だということです。

以上で原核生物と真核生物の違いについての解説を終わります。



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