植物細胞を光学顕微鏡で見ると何が見えるでしょう?
高校生物まではだいたい1500倍くらいまでの光学顕微鏡で
細胞を観察したり、図を見て学習してきたのではないかと思います。
今回の記事では、実際に光学顕微鏡で植物細胞を見たら
何が見えるのか?動物細胞と比較しながら解説してみたいと思います。
植物細胞を光学顕微鏡で見ると何が見るのか?
下の図で左側が動物細胞、右側が植物細胞を表しています。
まず、細胞膜があります。
これは動物植物共通です。
それから核も動物植物共通です。
で、植物には細胞膜の外側に細胞壁があります。
動物には中心体があります。
そしてさらに動物植物共通で存在する細長い構造体として
ミトコンドリアがあります。
ここまでで「え?」と疑問に感じた方もいるのではないでしょうか。
「ミトコンドリアって上記図のような形をしてますよね!?」って。
でも、上記図のようなミトコンドリアは電子顕微鏡で見たものになります。
光学顕微鏡で見たミトコンドリアは上記図のように
細長い物体(粒)にしか見えません。
光学顕微鏡ではミトコンドリアの中身が見えないってことです。
また、核膜は本当は二重膜なのですが、
核膜が二重膜として見えるのは電子顕微鏡で見た場合になります。
光学顕微鏡では二重膜には見えません。
ただ、核の中に核小体がボヤッと見えます。
中心体も同様です。
ここまで記事を読んでいただいて
せいぜい1500倍が限界の光学顕微鏡だと
どれくらい見えるのか?わかっていただけたと思います。
ちなみに電子顕微鏡は10万倍、100万倍ともいわれています。
なので光学顕微鏡の100倍1000倍拡大できる電子顕微鏡で見える細胞の世界と
1500倍が限界の光学顕微鏡では見える世界がまったく違るわけですね。
とはいえ、光学顕微鏡でも、まだ見えるものがあるので、
書き足していきます。
植物細胞は緑色の構造物が見えます。
葉緑体です。
ただ、葉緑体に存在するチラコイドは光学顕微鏡では見えません。
チラコイドはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒光合成の仕組みを図を使いながらわかりやすく解説!中学高校生物の復習
そして、植物細胞には主に液胞が発達しています。
だいたいこの程度しか見えません。
あと動物細胞は袋状構造が見えます。
ゴルジ体といいます。
せいぜい光学顕微鏡で見える世界はこんなものです。
これ以上のものを想像していた方は、期待しすぎですね。
もしかしたらあなたが今いる場所から東京スカイツリーが見えるかもしれません。
でも、東京スカイツリーの中から東京の街並みを見ている人を肉眼では確認できませんね。
これと同じです。
あくまで今回の記事では光学顕微鏡で見た植物細胞を
動物細胞と比較する内容ですから、上記図が正解になります。
1500倍が限界の光学顕微鏡と10万倍、100万倍の電子顕微鏡では
どう見え方が違うのか?しっかりと把握するようにしましょう。
拡大倍率を大事にしていきましょう。
今回の記事はここまでにします。
次の記事では植物細胞を電子顕微鏡で見たら
何が見えるのか?解説していきます。
⇒植物細胞は電子顕微鏡だと何が見える?