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オストワルト法について化学反応式を使ってわかりやすく解説




前回の記事ではオストワルト法とはどんなものなのか、
解説しました。
オストワルト法とは?わかりやすく解説

オストワルト法は植物の肥料にも利用される硝酸の工業的製法ですが
いったい何を原料に$HNO_3 $(硝酸)が作られるのでしょう?

今回の記事ではオストワルト法について
化学反応式を使いながらわかりやすく解説していきたいと思います。

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オストワルト法が完成するまでの道のり

オストワルト法、まずスタート物質はアンモニア($NH_3 $)です。
以前解説したハーバーボッシュ法でアンモニア($NH_3 $)が大量に生産されて
そこからオストワルト法が脚光を浴びるようになりました。
ハーバーボッシュ法とは?わかりやすく解説

ハーバーボッシュ法ができる前というのは
アンモニアの値段が高額だったそうです。

なので、アンモニアを原料にして製造するオストワルト法というのは
そんなに脚光を浴びませんでした。

ですが、ハーバーボッシュ法によりアンモニアが
安く大量に生産できるようになったため、
オストワルト法が注目されるようになった
のです。

先ほど、オストワルト法は1902年あるいは1908年といいましたが、
ハーバーボッシュ法が発表されたのは1904年です。

もし、1902年の段階でオストワルトさんは硝酸の製法を
理屈の上で完成させていました。
でも、大量生産して経営を成り立たせるほど高利益な工場を
作る段階にまでは至っていませんでした。

1904年にアンモニアの大量生産がハーバーボッシュ法によって可能になり
硝酸の大量生産も可能になるということで
オストワルトさんは研究を頑張りました。

結果、工業化を可能にしました。

なので、オストワルト法という理屈の完成は1902年で、
工業化が可能になったのは1908年という考え方が正確かもしれません。

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オストワルト法の化学反応式

まず原料の$NH_3 $(アンモニア)がスタートです。
この$NH_3 $を酸化($O_2 $をプラスする)して$NO $(一酸化窒素)と$H_2O $(水)ができます。
このH_2O $(水)は無視します。
また、ここでの反応では$Pt $(白金)を触媒として利用します。

さらに$NO $(一酸化窒素)を酸化($O_2 $をプラスする)させて
$NO_2 $(二酸化窒素)ができます。

さらにさらに$NO_2 $(二酸化窒素)を$H_2O $(水、お湯)と接触させると
$HNO_3 $(硝酸)という酸ができます。

このとき、同時に$NO $(一酸化窒素)という気体も発生します。
この$NO $(一酸化窒素)は捨てたらもったいないので
途中で発生した$NO $(一酸化窒素)のところで再利用します。

こんな感じで$NH_3 $(アンモニア)をスタートにして
$HNO_3 $(硝酸)ができるという流れがオストワルト法です。

つまり化学反応としては(1)、(2)、(3)と3段階のステップを踏みます。

以下、(1)、(2)、(3)のステップをわかりやすく説明していきます。

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オストワルト法の化学反応式3ステップと語呂合わせ

先に結論を書きますと、

(1)から(3)の化学反応式

(1)$4NH_3 $+$5O_2 $⇒$4NO $+$6H_2O $
(2)$2NO $+$O_2 $⇒$2NO_2 $
(3)$3NO_2 $+$H_2O $⇒$2HNO_3 $+$NO $

となります。

これ、大学受験の場合には語呂合わせで(1)の化学反応式は
係数が$4NH_3 $+$5O_2 $⇒$4NO $+$6H_2O $と4、5、4、6と並んでいることから
『し(4)ご(5)とし(4)ろ(6)(仕事しろ)と覚えた人もいるかもしれませんね。

(3)だと$3NO_2 $+$H_2O $⇒$2HNO_3 $+$NO $と3、1、2、1なので
『さん(3)い(1)からに(2)い(1)へ(3位から2位へ
みたいな語呂合わせで覚えている人もいるでしょう。

それでOKです。

以上で解説を終わります。



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