上の画像の花はアケビです。
2021年4月上旬に撮影しました。
アケビの花は一般的には4月から5月にかけて咲きます。
ところで上記アケビの花を見てみると、
なんか違和感がないですか?
花(実際は花というよりがく片といいます)の中に見える丸っこいのと
細長く飛び出しているのと2種類ありますね。
これはどちらかが雄花でどちらかが雌花なのです。
つまり、同じ株の中に雄花と雌花が存在しているけど、
別々に咲くためアケビの花は雌雄同株異花という分類となります。
別の表現を使うとアケビの木自体は雌雄同株だけど、
花レベルで見たら雌雄異花ということです。
しかも雄花と雌花では形が全く違います。
この記事では雄花と雌花の違いを画像を使って解説していきたいと思います。
アケビの花における雄花と雌花の違い
まずこちらの画像をご覧ください。
雄花と雌花を矢印で示しています。
ところで、上記画像で見える花っぽいところは花びらではありません。
がく片といいます。
一般的に、『がく片』とは花の最も外に存在していて
花と葉で比べたら葉っぱよりの性質を残している部分のことです。
話を元に戻します。
雄花の中心に、玉ねぎみたいな丸っこいものがついていますね。
これが雄しべです。
雄花は直径が1㎝から1.5㎝くらいで雄しべは6個ついています。
そして雄しべの外側についている花びらみたいなのはがく片です。
次に雌花ですが。棒状のものが放射状に伸びていますね。
アケビの雌花(放射状に伸びているやつ)って
かたつむりの触覚(2本、線が伸びているやつ)みたいですね。
雌花(2.5㎝くらい)は雄花(1㎝くらい)よりも大きいです。
カマキリみたいなものですね。
カマキリも雌の方が雄より大きいですからね。
そしてかたつむりの触覚みたいなのが雌しべですが、
雌しべ(3~9本)の先っぽは粘っこいため、
花粉がつきやすくなっています。
雌しべの先っぽに花粉がくっつくことで
受粉します。
うまいことなってますね。
雌花の方が雄花より花柄(花を支える茎のこと)が長いです。
ちなみにアケビの花に蜜腺はありません。
蜜腺とは蜜を分泌する組織のことで、
甘い蜜が出るので虫が集まってきます。
でもアケビの花には蜜腺がないのに虫が集まってくるそうです。
どうしてでしょう?
雄花が出す花粉目当てに虫が寄ってくるのだそうです。
よっぽど甘くておいしい花粉なのでしょうね。
アケビの花の特徴
ところでアケビの花はの付き方は総状花序です。
長い一本の花軸(花だけを付ける茎や枝のこと)に
たくさんの花が咲く咲き方のことを総状花序といいます。
文章だけだと分かりにくいと思うので、
画像を使っていきますね。
総状花序の具体例としてはルピナスがあります。
⇒ルピナスの花言葉と由来に怖い意味は含まれている?
こんな感じの咲き方が総状花序です。
それからシャシャンボの花の付き方も総状花序に分類されます。
⇒シャシャンボの花画像と特徴
マツバウンランも総状花序です。
⇒マツバウンランの花の特徴
ヒイラギナンテンも総状花序です。
⇒ヒイラギナンテンの花の画像と特徴
どうですか?総状花序ってどんな感じか理解していただけましたか?
アケビの花も総状花序です。
最後に、アケビの花における雄花と雌花の違いは
上記画像を見れば明らかですね。
こんな独特な花を咲かせるアケビを育ててみたい方はこちら
⇒【アケビ属】あけび(実生)3号ポット
ちなみにアケビを受粉させるのって意外と難しいです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
⇒アケビの花を受粉させる方法と注意点