いろんな種類の花の特徴を記事にしていくと
どうしても毎回同じ用語の説明をしていく機会が増えてきます。
たとえば、今回の記事テーマである花冠と花弁です。
そもそも花冠と花弁って何が違うのか?
画像を使いながらわかりやすく解説していきたいと思います。
花弁と花冠の違い
花弁と花冠の形を見れば、
その植物の名前を特定する資料になりますので
花弁と花冠の違いを知っておくことは重要です。
まずハナミズキの花の画像をご覧ください。
青文字で囲った部分を花弁といいます。
つまり花びら1枚1枚を花弁と言っているわけですね。
これに対して赤文字で囲った部分、
つまり花弁の集合体(花びらの集合体)を花冠といいます。
花冠=『花の冠(かんむり)』ですからね。
花びら全体を意味することは想像に難くありませんね。
上記画像のように冠だって丸い部分が組み合わさって(集合体となって)
1つの冠ができていますね。
なので、1つ1つの丸が花弁であって、
丸などの要素の集合体が花冠という理解をしておけば
間違った用語の使い方をしなくて済むでしょう。
友人に「これが花弁でこれが花冠で」といった時に
友人から「それ、逆じゃない?」といわれたら
ものすごく恥ずかしいじゃないですか。
これは当ブログ管理人の私も自戒の意味も込めて書いています。
ですので、ここでしっかりと花弁と花冠の違いを知っておいてくださいね。
ちなみに花弁(花びら)って見た目が派手ですよね。
どうして見た目が派手なのか?というと、
送粉者といって花粉を運ぶ昆虫や動物に見つけてもらいやすくするためです。
花弁が目立つことでより確実に昆虫や動物に花粉を持って行ってもらい
受粉確率を高め、より自分(花)の子孫を残そうと進化してきたわけですね。
逆に花弁が目立たない、派手でない植物は
そもそも花粉を昆虫や動物に運んでもらわなくてもすむ(例:風に運んでもらう)ものに多いですね。
花冠は3つに分けられる
・放射相称花
・左右相称花
・非相称花
の3つに分けることができます。
以下、それぞれ具体例を画像で挙げながら解説していきますね。
放射相称花
放射相称花とは上記画像のようにどの花弁からでも半分に切るように
線をずっと伸ばしても、対称になる花をいいます。
もっというと同様に線を複数引っ張っても(これが放射状)
どうやっても対称になるが放射相称花で、あとで解説する左右相称花との違いになります。
放射相称花の具体例はシラーペルビアナとなります。
⇒シラーペルビアナの花言葉と由来
左右相称花
続いて左右相称花とは上記画像から上の花弁から縦線を引いたときに
線対称になる花のことです。
放射相称花みたいにあらゆる花弁から放射状に線を引いても
対称にならないのが左右相称花の特徴です。
つまり左右対称花の場合、上から下に線を引いたら線対称になりますが、
左から右に線を引いても対称になりません。
左右相称花の具体例はシランになります。
⇒シランの花が咲く時期はいつ?
非相称花
最後に非相称花ですが。
非相称花は放射相称花や左右相称花に当てはまらない花のことです。
つまり、どこの花弁から線を引っ張っても
対称にならない花が非相称花です。
非相称花の具体例はクチバシシオガマです。
ちなみに進化で考えると原始的な花ほど放射相称花だと言われています。
これが進化の過程で左右相称花になっていったそうです。
先ほど派手な花は昆虫や動物が花粉を運んでくれやすいと説明しましたが、
ということま放射相称花より左右相称花の方が進化しているので、
昆虫や動物が花粉を運んでくれやすいと考えることができるでしょう。
最後にまとめますと、
花弁は花びら1枚1枚で、花冠は花弁の集合体のことです。